出版社内容情報
あのとき平壌に向かったはずの「よど号」はなぜソウル金浦空港に降りたのか。最後の謎を解く鍵をにぎるアメリカ人乗客の存在を初めて明らかにする。
島田滋敏[シマダシゲトシ]
著・文・その他
内容説明
1970(昭和45)年に発生した赤軍派グループによる「よど号」ハイジャック事件はいまだ解決されない謎が残されている。平壌に向かって飛び立ったはずの「よど号」はなぜソウル金浦空港に降りたのか。日本航空の現地対策本部事務局長として事態の推移を間近に見た著者が、当時の緊迫した状況をたどり、金浦で姿を消した米国人乗客の存在とその背後にあった日米韓の連携に迫る。米国人乗客のその後の消息、北朝鮮で“再教育”されたハイジャック犯と日本人拉致の関係を新たに加筆、事件の全体像を初めて明らかにした貴重な証言。
目次
ハイジャック
赤軍派
金浦空港
現地対策本部
協議
世論
転換点
救出
消えた乗客
ピョンヤン
危機管理
著者等紹介
島田滋敏[シマダシゲトシ]
昭和8(1933)年、愛媛県生まれ。旧制松山中学、松山東高校卒業。31年、松山商科大学(現・松山大学)卒業。同年、日本航空入社。40~44年、パリ支局総務マネージャー、45年、「よど号」事件では現地対策本部長補佐・統括担当に指名され、ソウル金浦空港へ。事務局長として陣頭指揮をとる。53年、バンコク支店長。その後、日本航空開発株式会社専務取締役、株式会社テレコメディア会長を歴任した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うたまる
1
よど号事件の当事者がその全貌を明かす回想録。読み処は、なぜ金浦空港に着陸したのかという謎と各国の思惑。アメリカは自国民救援のため同盟国をも平気で謀略にかける。韓国は自国に都合よく公式文書さえ整形する。北朝鮮は居丈高にあらゆる嘘をつく。そして日本は”人道主義”を掲げ身動き取れなくなり無能者となる。うーん、息苦しい、腹立たしい。これが敗戦で学んだことか。決断できない政治家、革命に酔い痴れた左巻き、常に間違っているマスコミ、たやすく扇動される大衆。世界の大人たちの中で、日本人だけが何も知らされない子供のようだ。2017/03/07
みむら しんじ
0
瞬く間に読了。小さい頃に最初で最大に興奮した事件はこの「よど号」事件であったかもしれない。なぜ機は金浦空港に着陸したのか。そこからこの事件の謎は深まることとなる。そして、実は金浦空港で1人の米国人が不明となった。CIAの影がなぜチラつくのか。最初に動いたのはなぜKCIAだったのか。ドキュメントとして詳細に時間を追いながら歴史を紐解くこの本はまるでタイムカプセルのようだ。しかし、消えた米国人については憶測で終わるところが残念。2016/11/30
ゲロデン
0
内容的には今まで知らなかったこともあって興味深い部分もあるのだが、肝心の謎の話が推測だけで終わっている点と、文章の合間合間にに表れる著者の主観がマイナス大。2016/10/08