出版社内容情報
ペリー来航前に米英が恐るべき精度で日本のことを把握していたことがわかる19世紀の英国の歴史学者が書いた最重要資料の全訳。ペリー来航前に大英帝国の歴史学者が書いた「オール・アバウト・ジャパン」。米英が恐るべき精度で日本のことを把握していたことがわかる最重要資料の初の全訳。
チャールズ・マックファーレン[チャールズ マックファーレン]
著・文・その他
渡辺惣樹[ワタナベソウキ]
翻訳/解説
内容説明
ペリー艦隊が来航する前、すでに米英は恐るべき精度で日本について掌握していた。1853年のペリー来航の前年に刊行された、米国の対日政策の原点を理解するための最重要資料。
目次
西洋との接触
日本の地理
民族と歴史
宗教
政体
鉱物および希少金属
植物
動物
芸術、工業、造船、航海
娯楽、嗜好、民族性
言語、文学、科学、音楽、絵画
著者等紹介
マックファーレン,チャールズ[マックファーレン,チャールズ] [MacFarlane,Charles]
1799~1858年。イギリス有数の歴史・地誌学者。インド史、オスマントルコ史、フランス史の造詣が深く、多くの著書がある
渡辺惣樹[ワタナベソウキ]
1954年、静岡県下田市出身。日本近現代史研究家。東京大学経済学部卒。北米在住。米英史料を広く渉猟し、日本開国以来の日米関係を米国をはじめ国外からの視点で捉え直した著書を数多く上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シャル
10
日本が鎖国をしていた江戸時代。その僅かな情報と過去の文献から、当時の日本を分析、分解、紹介しているイギリスの本である。その内容は当時としてもかなり正確で、現代まで続く『海外から見た日本の国家性国民性』を的確に捉えているようさえ思える。また、イギリスの視点らしく、『キリスト教がなぜ日本で失敗したのか』の分析にも多くのページを割いているのも印象的。信仰に関してはありえないくらいに寛容、もしくは無関心とし、その理由に内裏=天皇の存在があると見抜いているあたりも鋭い。時代性を感じさせない『日本を知る本』である。2016/11/09
naniwoyomu
8
おすすめ。 #興味深い #日本を知る
hitotak
6
まだ鎖国中の日本について、参考文献と、実際に来日経験のあるオランダ商館員を情報源にして書かれた日本論。女性が社会的地位を保ち資源が豊富などと的外れなことも書いているが、幕府と朝廷の関係や民族の気質等、核心部分は本質をついている。ここまで分かられていたのかと当時の欧米人の分析力に驚く。キリスト教を日本に伝え、結局はその布教の強引さが鎖国を招いたせいもあり、カトリックとポルトガル人および貿易利益を独り占めするオランダ人への非難が随所に書かれており、プロテスタントでイギリス人の著者の苛立ちが感じられて面白い。2018/07/14
ポメ子
5
アメリカの日本を開国させる計画を意識して書かれた書。著者は、日本を訪れた事がない英国の歴史家。ペリーが日本の事を知る為に読んだ本の一つと言われているそうです。出島のオランダ人たちからの情報が多いみたいですが、今に通じている日本人の本質など、読んでいて感心いたしました。誤っている記述も時にはあるみたいですが、大体が詳しく、よく書かれていて、ペリーは、日本の事をかなり理解出来たのではないでしょうか。2018/05/11
ぶるーめん
5
ペリー来航前、日本についての基礎資料と言われている本。著者は日本に来たことがないが、各種文献等から取りまとめられており、ある意味伝説的になっていた鉱物資源の部分を除くと概ね妥当性があるのが驚き。法体系は弱いが、鎖国という閉鎖系のなかで最適化された、秩序と自由が調和した社会システム(勿論見えていない悪い部分もあると思うが)や、なぜ鎖国に至ったのかとか、オランダと中国だけがなぜ交易を許されたのかという経緯が世界目線で語られていて大変面白かった。中国でなくタタール人、トルコとの類似性をとらえる見方も興味深い。2018/04/25