出版社内容情報
アジア太平洋地域のパワー・バランスが変わるなか、存在感を増す
ASEAN(東南アジア諸国連合)。その「最重要パートナー」「最も信頼できる国」の第1 位は日本だが(2014 年、世論調査)、各国の対中・対米依存度もまた高い。米中攻防時代にしたたかさを発揮するASEANとどう付き合うか。東南アジアの行動原理を知るジャーナリストが最良のあり方を示した、今まさに読むべき1 冊。
■海と陸から迫る不安、南シナ海とAIIB
■太平洋のパワー・トランジション、始まる
■長くのびる??赤い舌??
■各国分断を狙う中国
■オバマ政権、アジア・リバランスの迷走
■日本人に身近だった南洋
■岸信介のアジア
■安倍晋三のアジア
■外交敗戦、??友愛?≠フ代償
■「最も信頼できる国」は日本だが……
【著者紹介】
1944 年生まれ。産経新聞客員論説委員。早稲田大学卒業、産経新聞社マニラ特派員、ニューヨーク支局長、女性初の外信部長、論説委員長。97 年、東南アジア報道でボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『インドネシア9・30 クーデターの謎を解く』ほか。
内容説明
米中の攻防、AIIBの登場、ASEAN経済共同体(AEC)の発足で、アジア太平洋地域のパワーバランスは変わろうとしている。可能性と危機が表裏となったこのダイナミックな状況のなかで存在感を増すASEANと、日本はどう付き合うべきか。東南アジア報道のエキスパートが、ASEAN成立以来の歩みをたどり、加盟各国の対中・対米観の深層を探り、大東亜共栄圏の蹉跌を味わった日本がODAを通じて開発の後押しをつづけ、ASEANにとって最も信頼できる国、最重要パートナー国とみなされるに至る歴史を振り返って、現実的かつ最善の関係を説く。茫洋として分かりにくいASEANを知るための必読の書でもある。
目次
1 太平洋のパワー・トランジション、始まる(長くのびる“赤い舌”;オバマ政権、アジア・リバランスの迷走)
2 存在感を示すゆるやかな連合体、ASEAN(東南アジア同士が争わない“仕掛け”)
3 日本は「アジアの盟主」を標榜すべきか(大東亜共栄圏の蹉跌;岸信介のアジア ほか)
4 ASEANはアジア太平洋のセンターになれるか(“寄り合い所帯”からの脱皮;ASEAN共同体の発足)
著者等紹介
千野境子[チノケイコ]
横浜市生まれ。1967年、早稲田大学文学部ロシア文学専修卒業。同年、産経新聞に入社。マニラ特派員、ニューヨーク支局長、外信部長、論説委員、シンガポール支局長などを経て2005年から08年まで論説委員長・特別記者。98年、一連の東南アジア報道でボーン上田記念国際記者賞を受賞。現在、産経新聞客員論説委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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