内容説明
1989年、東京都足立区綾瀬で起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件は、検察をして「犯罪史上においても稀に見る重大かつ凶悪な犯罪」と言わしめた残虐な事件だった。恐るべき犯行に及んだ16~18歳の4少年の素顔とは?生い立ちや親子関係、犯行時の心境をたどり、少年犯罪の闇、家庭や教育が抱える問題を指摘する。事件後、初めてその全容を明らかにした衝撃のノンフィクション。
目次
第1章 別れ道
第2章 赤い嵐
第3章 六人の騎手
第4章 身勝手な恋人
第5章 伏線
第6章 ドラゴン・クエスト
第7章 暗い部屋
著者等紹介
佐瀬稔[サセミノル]
1932年、神奈川県生まれ。98年没。東京外国語大学英米学科中退後、報知新聞入社。運動部長、文化部長などを経て、73年退社。以後、フリーランスのジャーナリストとして広く活躍する。主な著書に『金属バット殺人事件』(85年度日本推理作家協会賞、草思社)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
540
読み始めて驚いた。事件当時、わたしはまだ日本に居たのだ。個人的に、繰り返し関連著作を読んだりネットで関連動画を観たりしていたので、もっと近年の事件かと。さて今作、丁寧に取材されているのは称賛に値する。ただ筆者の視点か、それとも弁護・検察側の視点なのか、なにか事件を引き起こした要因を、家庭やらその育ちやらに押し付けようとしているのが不快。わたしに言わせれば親は関係ない(薄い)、ひとつあるとしたら、このようなモンスターを世に送り出してしまった、ということだろう。2024/07/31
ろくせい@やまもとかねよし
162
90年発行「うちの子が、なぜ!」の文庫版。88年11月25日から89年1月4日のいわゆる「女子高生コンクリート詰め殺人事件」。4名の少年による犯行。刑事処分相当と公判に。この裁判を中心に極めて凄惨な犯行に至った過程を分析する。89年7月31日の初公判から90年7月19日の判決公判での証言と被告らの生育歴を重ねる。書き出しにある事件発覚経緯。本書の一つの特徴と感じた。強姦などで逮捕されていた犯人の一人が、89年3月29日に予期せぬ本事件の秘密の暴露が発端と記す。藤井誠二さんの解説も20年後での理解を助ける。2021/08/22
やいっち
74
犯行に関わった四人の生い立ちが本人たちの証言も含め語られる。本書の大半がそうした記述。出版社は、「現代の子育てと学校教育を考えるための最重要資料」と謳っている。法廷での犯人たちや親たちの証言は、生々しい。女子高生は40日もの拉致監禁で凄惨なリンチを受ける。監禁は犯人グループの一人の自宅。親も女子高生の存在に気付くも、それまでの息子との軋轢で断固たる措置が取れず、ずるずると監禁が長引き、最悪の結果に至った。当時、あまりの凶悪ぶりに、少年らがこんなとをするのかと、信じられない思いだった。今も。2021/08/19
まさきち
70
犯人達の生い立ちに重点をおいて非常に丁寧に取材をしたなとの印象。2023/12/05
ちゃとら
46
【図書館本】有名な事件、読友さんのレビューを見て手に取った。17歳の女子高生を拉致し40日間に渡り監禁、陵辱、暴力、死体をドラム缶に入れ遺棄。犯人は4人の未成年者。私は家族のいる家で何故40日も監禁できたのかが不思議だったが、犯人達の親達も暴力に怯えていた。家庭環境、教師達にも問題があったのだと思うが、パーソナリティ障害⁈何をどうすれば、ここまでの犯罪が出来てしまうのか?良心の痛みはまるで無いのか?出所後すでに再犯で逮捕された者もいる。他の事件もそうだが、彼らが普通に暮らしていると思うと恐ろしくなる。2024/08/06
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