出版社内容情報
詩と本と音楽と友人知己をめぐる真摯で洒脱な評論エッセイ集。書評、詩論などの「読む・書く」、河合隼雄、寺山修司などの人物評「人」、そして「武満徹」の三部からなる。
内容説明
詩はどう人間にかかわるのか?言葉はどう沈黙にかかわるのか?詩と本と音楽と友人知己をめぐる真摯で洒脱なエッセイ集。
目次
読む・書く(書くこと;内臓されたことば;「ドリーム・チャイルド」 ほか)
人(荒木経惟―青い空に白い雲が浮かんでいる;池田澄子―虚空へと・『池田澄子句集』;市川崑(市川さんのやさしさ;光と影) ほか)
武満徹(武満の「うた」;音楽を疑う必要;日常の白い壁 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寛生
31
【図書館】谷川の詩的文体の香りが散漫しているエッセイ集。詩人としての強い感覚がエッセイ集にも響き渡り、読者としてのこちら側が〈読む〉というより〈読まれている〉ような感覚を覚える。詩は人間のすべてをもって読めいう谷川の奨励は、まるで聖書がおまえの全てをもって神を愛せという命令に響き合うようでもある。「絵本の力」につづいて本書でも〈声〉や〈音〉の概念がでてくる。そして、なぜか両書とも、〈死〉が最後で締めくくりのようになっているのに〈魂〉の揺さぶりを感じずにはいられない。まるで、生が死と隣り合わせだという感覚。2014/01/27
魚京童!
16
らしいな。2016/10/20
よし
6
詩、詩的なるもの、人に関するエッセイ集。「風穴をあける」の章にみごとに彼のエッセンスが含まれている。「詩を読む楽しみの一つは、日常と違う視点で生きていることを振り返るところにある。」「文字に書かれた詩作品ではない「詩」には、知らず知らずのうちにふれていると思う。例えば美しい風景を見たときとか、誰かに恋をしたときとか、好きな音楽を聴いたときとか。人間の心持ちは、ふだんの日常生活で感じる喜怒哀楽とはちょと違う高みにあるんじゃないか。」「2015/10/13
野の花
4
前半は、谷川俊太郎の出会った読む書くにまつわる話が書いてある。特にこの本のタイトルがついた「風穴をあける」の項目は、詩についての彼の思いが凝縮されている。後半は彼が出会った多くの著名な友人、知人のことが書かれている。こんなに詳しく語ることが出来るのは丁寧に付き合ってきたからだと思う。最後に、彼もまた読んだ本を片っぱしから忘れるのは私の生まれつきだから愚痴ってもしょうがないと書かれてあって私と同じだとクスッと笑った。2016/02/06
すいっぴ
1
2002年のエッセイ集。古いものは1985年だそう。パソコンが各家庭にでまわった頃。こんなに本が売れなくなって今の俊太郎さんはどう言っているのかな。2016/01/23
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