円の支配者―誰が日本経済を崩壊させたのか

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  • サイズ B6判/ページ数 382p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794210579
  • NDC分類 338.41
  • Cコード C0033

内容説明

この本は新進のドイツ人研究者による、真に衝撃的な、日銀と日本経済の研究である。われわれはこの本をとおして、初めて、バブルの創出と崩壊、この十年の日本の苦境の真因を知るだろう。政府が景気回復に向けて必死の努力を重ねていたとき、なんと日銀は信用を収縮させ、景気の回復を故意に遅らせたのである。なぜなのか?これが本書の核心である。著者は名探偵のごとく、犯人を追いつめ、遂に日銀の陰謀ともいえる行動を白日のもとにさらした。日本を震撼させる快著。

目次

マネーのプリンスたち
戦時経済
戦後、いっそう強固になった戦時経済体制
銀行業という錬金術
信用創造―経済の総司令部
窓口指導と日本の覇権をめぐる争い
実験―日本の最初のバブル経済
マネーのミステリー―円の潮流
円の大幻想―信用のバブルとバブル崩壊
不況を長引かせる法
大蔵省と日銀の「バトル・オブ・YEN」
銃の引き金を引いたのは
円のプリンスたち
日本改造十年計画
もうひとつの奇跡
景気浮揚―回復は始まっている
アジア―プリンスたちのつぎの仕事場
セントラル・バンガーが暮らしを支配する
アラン・グリーンスパンの秘密

著者等紹介

ヴェルナー,リチャード・A.[ヴェルナー,リチャードA.][Werner,Richard A.]
1967年、ドイツ・バイエルン州に生まれる。オックスフォード大学大学院博士課程を経て、東京大学大学院で経済学を専攻。ドイツ銀行証券会社(1989)、野村総合研究所経済調査部(1990)、日本開発銀行設備投資研究所(1991)では初の「下村フェロー」に。91年末~93年までオックスフォード大学経済統計研究所の研究員として日本銀行金融研究所及び大蔵省財政金融研究所で研究を重ねる。97年より上智大学講師。金融経済学と国際・開発経済学を講じている。98年プロフィット・リサーチ・センターを設立、取締役チーフ・エコノミストに。91年10月、処女論文“The Great Yen Illusion”で日本が「歴史的規模の不況型クレジット・クランチ」に移行し、日本の銀行が破綻しかねないことを指摘した。氏の論文は内外の専門誌で常に大きな注目を集めている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Honey

4
2016年に読んだ本の中で、一番エクサイトしたかも。 ミステリーの謎解き風な構成で、日銀の動きを追いながら、戦後の世界の経済史との関連も垣間見えた気が。 円のプリンス達は、一体何を目標にしてきたのか、アラン・グリーンスパン氏の変節(?)は何を意味するのか… まだ謎は残ります。 はるか以前から、世界経済は思った以上に連関しているというな~という思いとともに、このような”お金にまつわる話”を、金融業や経済の専門家だけでなく、もっともっと普通の人たちの話題にすべきという気がします。 2016/12/15

だろん

4
今、アベノミクス批判やその出口戦略を標榜するもっともらしいオピニオンや政治家にだまされないよう、多くの有権者に一読いただきたい伝説の書。特に、失われた20余年を振り返って、その間、なぜこれだけの財政不均衡が生じたのか…ビジョンのない稚拙な財政出動も問題の一部だが、大きな原因は日銀の金融政策にあることがよく分かる。著者の指摘は、日銀だけが周回遅れで、今やFRBもBOEもECBも主流の政策にw 出版当時、トンデモ本だの陰謀論だのとの書評が新聞に溢れたが、当局にとって実に不都合な書籍だったんだろうねw2015/03/04

plum

2
戦前と戦後は区別せずに,昭和をひとくくりの有機体として日本システムを見る。血液はお金(信用創造:紙幣を印刷する)。戦時中につくられたものが戦後の成功の枠組みを提供したp70。日本の戦時総力経済体制は,銀行業界に対する日本銀行による「窓口指導」でコントロールされた。バブルを生みだした日銀総裁たちp227。前川(マイク)レポートp247国際協調型経済構造への変革を図る。IMFの目的:法律改正して,外国投資家が土地を購入し,銀行その他の重要産業を買収できるようにするp303。ユダヤ金融の世界支配2024/11/10

好奇心の横断歩道を渡る!

2
アジア通貨危機を説明できるようになるために再読。ほかの誰も着目していなかった、「中央銀行の政策がバブルの成長と崩壊を促し、その国の経済成長を阻んだ」という着眼点と説明は、とても価値が高いと思う。一方で、結構ずれた理屈が展開されることも多く、思考カロリーが高い本と言える。著者自身が新古典派を非難しつつも新古典派と近い発想が散見されるという、ツンデレ作品だと感じた。2021/03/18

拡がる読書会@大阪

1
今は経済的にも大変な我が国ですが、太平洋戦争を体験しながらも世界上位に食い込むレベルまで発展したのは日本人の勤勉さだけが要因ではありません。発展するための「システム」というのをうまく取り込んだからと本書で語られています。 https://note.com/sharebookworld/n/nae346da7cf9f2024/06/29

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