内容説明
大気は循環し、大陸は移動し、海洋はすべてを溶解し、生命が息づく。地球は、45億年かけてこの複雑にからみあった精巧なネットワークを作り上げてきた。いま、この地球システムは、ここ数十万年のヒトの爆発的な増加と進化の中で大きく変わりはじめている―。地球温暖化の問題は、このネットワークへの理解なくしては語ることができない。最新の気候モデルを駆使し、経済・社会への影響までを視野に入れた実質的な提言を続ける一線の気候学者が地球環境の現在と未来を問う。
目次
序 グローバル・チェンジとは何か
1 生物と無生物が織りなす地球の歴史
2 気候と生命の共進化
3 気候変化の原因
4 モデル予測の有効性と問題点
5 生物多様性はなぜ重要か
6 環境政策のあり方を問う
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
taming_sfc
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シュナイダー, スティーブンによる1998年の著作。気候学者の著者による地球温暖化講義ではあるが、文系読者に配慮して比較的わかりやすく科学的根拠が記されている。シュナイダーが本書を著した当時は、シュナイダー自身アメリカにおいて温暖化懐疑派経済学者との激しい論争に巻き込まれており、その論争に対して落ち着いた調子で自らの正当性を指摘する第6章が本書にはある。文系人間の私としては、その落ち着いた経済学者批判の部分が印象に残った。地球温暖化に関する古典とも言える一冊である。2010/10/25
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