内容説明
歴史上の奇人および、公募により集まった現代の奇人789人をあらゆる角度から徹底調査した結果、かれらはふつうのひとよりも自身の運命に満足しており、幸福度が高いとわかった。本書は、世界が初めて奇人の「科学的」調査にとりくんだ、ユニークな研究である。
目次
1 奇人大募集―自薦他薦を問わず
2 奇人の400年史―1551~1950年に生きた奇人たち
3 芸術家たち―創造的な人はみな奇人なのか
4 科学者たち―自然界を再発明する奇人たち
5 失われた大陸―神秘主義、宗教界の奇人たち
6 奇人と精神病―奇人の精神はふつうの人より健全である
7 奇人の子ども時代―奇人たちは早熟である
8 奇人の人格―率直で自由奔放、きわめて独断的な人びと
9 奇人の話しかた―冗長で遠まわしだが、脱線はしない
10 勇気ある女性奇人たち―変わり者の道を選んだ女性たち
11 奇人と性―女装・男装・サドマゾヒズム…
12 奇人と健康―かれらが若々しく健康で長生きするわけ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
10
本書では該当人物を「奇人」と称し、その行動を「奇矯」と表す。多くの人とは異なるポイントに情熱を向け、かつ熱の総量も常人を凌駕する存在が奇人である。筆者のグループがとにかく大量の奇人達をテストし面接する中で、ぼんやりとした輪郭が浮かび上がってくる。まず、精神疾患との重なりは多くない。むしろ病的傾向は平均値よりも低い可能性がある。IQは高い。目立つ特徴は「語りの切迫感」。いわゆる「食い気味」な談話である。さらに「迂遠」。回りくどいのだ。一人くらいは身近に思い浮かぶと思う。変わり者だが不幸ではなさそうなあの人。2022/11/03
ブルーハート
5
世界初の奇人研究との副題がついている。帯にはヘンな人ほど人生を愉しんでいると書かれている。奇人ねぇ。「奇人の話しかた」の章に、思考・言語・コミュニケーションの異常の頻度についての表が出てくる。それによると、語りの切迫、逸脱、迂回、自己言及の項目で、奇人は正常の人より高い傾向にあると言う。奇人ねぇ。程度の違いかもしれない。2017/08/13
ekura
0
以前読んだものだが、安かったので後輩に上げる分として購入し、また読んでしまった。「奇人は性格に偏りはあるもののメンタルは極めて良好であり、幸福感にあふれ、肉体的にも健康である」ことが多いという。周りを見渡してもなるほどと思わされる。2010/11/09
ぴよひこ
0
奇人かつ天才のような、あるいは奇人が文化寄与した歌舞伎の様な社会的分析でもなくただ奇人がいかに健康的で創造的でどの様な性向を持っているかというまさに奇人そのものに対する分析的な本。あがっている人にも面白い例が無かったし正直あまり求めていた内容ではなかった。2016/06/28
ランド
0
心理学者による奇人調査、研究本。いやむしろ奇人絶賛本といったほうが正しいかもしれない。・奇人は趣味に没頭している・奇人はユーモアのセンスをもっている。・奇人は普通の人より健康で長生きする。・奇人は普通の人より幸福である等々。個人的には第10章の「勇気ある女性奇人たちー変わり者の道を選んだ女性たち」が興味深かった。2012/08/26