内容説明
グアム島で師団の総攻撃を前に米軍に投降した一兵士の沈着な眼が描き出した、激戦地における日本軍の定見なき戦闘と兵士の生活。元朝日新聞記者の死後発表された従軍の記録。
目次
1 満州
2 黒い海
3 サイパン
4 大宮島(グアム島)
5 青葉山
6 ハワイ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Machida Hiroshi
2
読んでいて文書も上手いし記憶力も良い人だなぁと思っていたら、半ばを過ぎたあたりで元記者であることが分かり納得です。日本軍の劣悪ぶりと理不尽さが良く分かりますが、それよりも、その状況を楽しんでるかのような淡々とした描写に心を奪われ夢中で読み進めました。戦争はくだらないが、必然的にその人の真性をあぶり出す側面もあるという事実に刮目しました。2014/08/05
たっぺい
0
戦場で生き残ることを冷静に考えての投降。よくぞ生き抜いた。でも多くの捕虜は帰国後、口を閉ざして、高度成長に邁進したと思う。思い出したくもない黒歴史だったと思う。彼らにこそもっと語ってもらいたかった。2023/01/29