内容説明
汚名に塗れたコミュニズムをいまある来たるべき時に向けて再構築する、ネグリ渾身の力作。
目次
第1部 時間の構成(第一の転位―被包摂存在の時間;第一の構築―集合的時間A;第一の構築―集合的時間B;第二の構築―生産的時間A ほか)
第2部 好機・豊穣・多数性(好機Kair`os;豊穣Alma Venus;多数性Multitudo)
著者等紹介
ネグリ,アントニオ[ネグリ,アントニオ][Negri,Antonio]
1933年~、イタリアのパドヴァ出身の政治哲学者、革命運動家。マルクスやスピノザの研究で知られ、パドヴァ大学、パリ第8大学、国際哲学院などで教鞭をとる。79年、赤い旅団のモロ首相誘拐殺人事件に関与した疑いで投獄される。83年、獄中から立候補して当選し、フランスに亡命。97年に帰国し刑に服す。03年、完全自由の身になる。08年に来日の予定だったが、日本政府の入国ビザ要求で断念
長原豊[ナガハラユタカ]
法政大学経済学部教授
伊吹浩一[イブキヒロカズ]
フランス現代思想。専修大学、他非常勤講師
真田満[サナダミツル]
アメリカ文学。龍谷大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ばるたんせいじん
1
資本主義は賃労働の時間によって私達の生を支配する。この時間性こそが身体・存在を規定し、既存の秩序の中に監禁する牢獄である。別の時間を構成すること、別の時間のリズムを生みだすことが、日常の同化を拒否し、出会いの中で出来事を起こし、常にチェーンナップするサイボーグとしての存在の生成変化にとって必要不可欠である。過去から未来へと単線的に流れる時間の流れを遮断し、亀裂を歪みを作り出すこと、時間の空虚に存在を突き出すこと、それは「共に実存する」というこの世界の根源的な欲望が駆動させる創造性である。2012/09/27