内容説明
観応の擾乱から足利義満の皇室乗っ取り計画まで、倉山満の視点が冴える!いち早く室町時代に着目した著者がおくる第2弾!
目次
第1章 観応の擾乱―日本史最大の戦乱
第2章 武家権勢法師佐々木道誉
第3章 足利義満に学ぶ皇室の乗っ取り方
著者等紹介
倉山満[クラヤマミツル]
昭和48(1973)年、香川県生まれ。憲政史研究者。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士後期課程単位取得満期退学。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、平成27(2015)年まで日本国憲法を教える。現在、コンテンツ配信サービス「倉山塾」、ネット番組「チャンネルくらら」を主催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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出世八五郎
18
歴史小説から日本史を好きになったせいか、あまり知識なく、戦国時代は裏切りの連続の酷い時代だった!という印象以上に、この時代はドタバタの信義にも劣る酷い時代という印象を持った。兄弟喧嘩から執事をも巻き込んだ御所巻(ごしょまき)など戦国時代にあったのか?半ばまでは観応の擾乱。残りが義満による皇室乗っ取り寸前までを描いている。著者が本書により現代に訴えたかったのは、一条経嗣という気の小さい人物が義満の足元を掬ったということ。2017/11/04
roatsu
17
足利尊氏、佐々木道誉(倉山先生の愛が凄い)、そして怪物・足利義満と「逞しすぎる異常な人間が跋扈した室町時代」を象徴する寵児達の豪快な足跡を振り返る一方、本書のもう一人の主人公は能力と権勢を振い皇室に迫った義満に精一杯抵抗し、土壇場で国体護持の一矢を報いた公家・一条経嗣だと思う。最終頁の倉山先生による彼への評は、同様に非凡ならず微力だが決して無力ではない現代の我々に奮起を促す言葉といえる。それにしても文章が何とも面白い。また室町の歴史絵巻を通じて今の議会政治でも何ら変わらぬ日本人の性質を垣間見る事もできる。2017/09/17
軍縮地球市民shinshin
12
面白かった。観応の擾乱、佐々木道誉、足利義満王権簒奪の三つをテーマに扱っているが、断然面白いのは一番最後。1990年に中世史家の今谷明によって提唱された、「義満が愛息・義嗣を天皇に即位させ、自らは上皇になろうとした」という説をベースに、如何に義満が大悪人で、武家・公家・寺社の頂点に君臨して好き放題やったかをふれている。まさに義満は空前絶後の大悪人で大不敬な奴であったことが倉山節で分かりやすく理解できる。しかし中世史学界は、義満が天皇家を乗っ取ろうとしたこの説が発表された1990年には拍手喝采を今谷氏に 続2017/06/25
ミナ
9
義満本当に性格悪い。母が御円融天皇の母と姉妹だからって、皇族と皇族でないかは明確に区別されるべきなのに、自分も頂戴とばかりにあの手この手でやりまくる。読むと義満を嫌いにしかなれない本。2020/01/30
ミナ
9
大学時代に先生が「自ら天皇になろうとしたのは義満だけだ!」と話をされていたときは「ふーん」と流していたけど、こうして読んでみると足利義満の異常さと恐ろしさがわかる。室町時代は意味がわからないことが多過ぎて苦手な時代なんだけど、日本の歴史の中で異様な時代だったことがわかり、興味を少し持てるようになった。2018/09/23