感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わ!
7
関西大学名誉教授の藪田 貫さんの本。面白かった。大阪を中心に近代史以降の歴史遺産の論文が続きます。最後の方は大阪を離れたり、最後には日本を離れた話にまで飛躍します。そんな中で、歴史遺産とは何か…が、面白い。これを読む限り、歴史の現場という肩書きも、かなり紙一重な設定で作られていることが分かった。大坂という場所は、この本に書かれているように、「〜家」の様に定まった大名が統括していた場所ではなく、特定の大名が交代で任に就く土地だったのである。そんな見方を教えてくれるだけでも価値ある本ですね。2025/07/15
マウンテンゴリラ
0
大阪と言えば商業・商人の街、というのが全国的な共通認識のようだが、それは決して現状を踏まえたものではなく、歴史認識、それも江戸時代といった限られた時代に対する認識でもあろう。ところが本書によれば、それも偏った認識であり、江戸時代の大阪は、武士の街でもあり、文化・教育の街でもあり、そのことを思い起こすべきということを説いたもの、という印象を受けた。今や大阪は、一住人の立場ですぐに思いつく印象としては、お笑いの街、阪神タイガースの拠点、といったところではあるが、逆説的に言えば、→(2) 2023/12/26