目次
序章 社会秩序無価値説の構想(社会秩序無価値説について;犯罪評価と違法性の実質についての管見;犯罪評価にあたり注意しなければならないこと;違法評価の局面について重要な事柄)
第1章 オルトランの未遂犯論(本章の目的と視点;なぜ国家は犯罪者を処罰する権力を持つのか?―オルトランの国家刑罰権論(社会と犯罪者との間で交わされるダイアローグ)
オルトランの未遂犯論
未遂犯はなぜ処罰されなければならないのか?―2つの結果=害悪(mal)の概念の持つ意義
未遂犯の量刑
不能犯の構成)
第2章 不能犯論・覚書―末道書評を契機として(応答;オルトランの未遂犯論の研究から得られること;「不能犯とは未遂犯の幻影である」オルトランの未遂犯論から見える構図―不能犯論に関する覚書;私見)
第3章 不能犯論―客観的危険説を基点とした多元的不能犯論(前章の要約(補遺)と本章の帰結
応答
私見の基本的な立場
具体的適用)
第4章 期待可能性についての覚書―「法は不能を強いない」垂水補足意見を契機として(期待可能性とは;最高裁(大審院)判例の立場
私見の立場)
著者等紹介
中野正剛[ナカノセイゴウ]
1961年横浜市生まれ。現在、沖縄国際大学法学部・大学院法学研究科教授。博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sayan
20
良い意味で期待を裏切られた。刺激的なタイトルは、個人の自由尊重から連帯を促す思潮=アナキズム解説を推測。秩序問題はホッブズが最初に定式化した、パーソンの議論は、個人間の紛争は国家の領域となる。そんな社会秩序は無価値だ、という議論と思いきや刑法における議論。ここで、無価値はマイナスの価値を意味する。浅学を恥じた。全て単語を調べ読通、著者が「その時その場所」を軸に行為・結果無価値説を議論。そして、社会秩序の実現にいかなる価値的な帰結=適法か否か議論構造輪郭が明確になる。唐突に映画「さようならCP」を思い出す。2024/03/14
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