内容説明
犯罪予測はできるのか、なぜ必要か、どのように行うのか。犯罪学、都市工学、地理学、データサイエンス「明日を科学する」人々に贈る。
目次
犯罪予測とは何か
犯罪の現状と犯罪不安感
犯罪予測の必要性
犯罪予測の理論的基盤
犯罪分析と統計学
犯罪予測の技法
AI活用による犯罪予測
海外の犯罪予測に基づく警察活動
わが国における犯罪分析の実証研究
わが国における警察の犯罪予測事業
個人情報とプライバシーの保護
わが国における犯罪予測の課題
著者等紹介
守山正[モリヤマタダシ]
拓殖大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みなみ
23
海外の犯罪予測による警察活動を紹介するほか、日本での犯罪予測事業について概観する本。日本については、神奈川県警察の取組の紹介が中心のため、日本全体でどのようなことに取り組んでいるかは分からない部分が多いものの、産官学連携での分析についての本は珍しいので興味深かった。AIも使い方によっては精度は差がありそうなので、分析にかける材料・素材がどれだけあるかや因果関係がどれだけ明示的に説明可能かにも依るのだろう。2022/08/03
ひばりん
16
実務者向けですが、教養的な良書です。古典的な犯罪予測理論(それこそ割れ窓理論など)から最先端のAI・ICT利用の犯罪予測まで手法や背景理論、各国と日本の実装事例を網羅しています。内田隆三の「都市のトポロジー序説」が出たのが、もう40年前のことですが、あの論文に出てくる放火犯の分析に、ようやく時代が追いついたというところでしょうか。「日本は犯罪者の自宅と最寄駅の距離関係が変数として効く」という内田隆三の指摘と同じことが、RTM(リスク地帯分析)でも取り上げられているようです。2022/07/26