内容説明
ユダヤ人の脳味噌から生れた精神分析学なるものを自家薬籠中のものにして、快刀乱麻を断つごとく、この湿っぽい日本の現実や、私たちの卑小な自意識のドラマの構造を、白日のもとにあばき出してくれる。
目次
歴史について(日本近代を精神分析する;吉田松陰と日本近代;国家論;日常性とスキャンダル)
性について(性の倒錯とタブー;エロスの発達;性欲論;性的唯幻論;恋愛論;何のために親は子を育てるか)
人間について(擬人論の復権;時間と空間の起源;言語の起源;現実と超現実―シュルレアリスム論;精神分裂病)
心理学について(一人称の心理学―レインの主観的精神病理論;心理学者の解説はなぜつまらないか;心理学無用論)
自己について(ナルチシズム論;自己嫌悪の効用―太宰治『人間失格』について;セルフ・イメージの構造;詩人のなりそこね;わたしの原点)