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出版社内容情報
出逢い、聞き、書き記す
森崎和江の仕事をまなざすと、その思想にインターセクショナリティの萌芽を見出すことができる。フェミニズムやポストコロニアル思想などの系譜を繙くことで浮かび上がるものは何か。戦後思想史を更新する、俊英による画期の書。
内容説明
出逢い、聞き、書き記す。森崎和江の仕事をまなざすと、その思想にインターセクショナリティの萌芽を見出すことができる。フェミニズムやポストコロニアル思想などの系譜を繙くことで浮かび上がるものは何か。戦後思想史を更新する、俊英による画期の書。
目次
序章 交差する集団
第1章 翻訳としての聞き書き―『まっくら』というはじまりについて
第2章 非所有を所有する、あるいは女たちの新しい家
第3章 流民を書く、土地とともに書く―労働力流動化と“運動以後”の時代に
第4章 抵抗の地図―沖縄闘争と筑豊
第5章 「ふるさと」の「幻想」―流民としての「からゆきさん」をめぐって
第6章 方法としての人質―あるいは「自由」をめぐって
終章 森崎和江を書き継ぐ
著者等紹介
大畑凜[オオハタリン]
1993年生まれ。専攻は社会思想、戦後思想。大阪府立大学大学院単位取得退学。博士(人間科学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD、大阪大学特任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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msykst
13
多岐にわたる森崎和江の著作の主題を「〈集団〉を〈書く〉」ことや「関係の思想」とし、それによって森崎が、自身を不可避的に規定していた「近代性」の存在を深く認識しつつ乗り越えようした事を緻密に描く。「流動」や「移動」はもちろん、「変容」や「触発」といった言葉で語りながら、森崎の思想を(その先駆性を言祝ぐだけでなく)今日的な問題として再構成し伝播させようとする意欲が全編に溢れる。インターセクショナリティはアイデンティティの問題ではなく闘争の問題であり、故に根源的な変革の可能性があるのだという理論設定もアツい。2024/05/23
ヤマニシ
1
「わたしたちは、当然だが誰しもみな「森崎和江」になることはできない。だが、森崎のように考えること、森崎とともに考えることはできるかもしれないのであり、本書がそのひとつの手がかりとなることを願ってやまない。」(p12)2024/06/17
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