出版社内容情報
〈重ね合わせ〉の思考のために
重ね合わせ。概念と概念の。また理論と理論の。さらには科学と哲学の。それは、あるものを別のものの上に層状に重ねることも含むが、重ねることでそれぞれが入り込み、浸透し合うこともある。重ね合わせとはまずもってこうした重ねる働きを意味するが、またある状態のことでもある。二としての一。差異。畳長性。ある時代と別の時代の重なりが生み出す緊張。近代的自我でありつつも同時にそれとは異なった何かであること。そして、あるものから別のものへと成りつつある様。---哲学者カヴァイエスの数理哲学を軸に展開される、現代思想の粋!
内容説明
“重ね合わせ”の思考のために。概念と概念の。また理論と理論の。さらには科学と哲学の。それは、あるものを別のものの上に層状に重ねることも含むが、重ねることでそれぞれが入り込み、浸透し合うこともある。重ね合わせとはまずもってこうした重ねる働きを意味するが、またある状態のことでもある。二としての一。差異。畳長性。ある時代と別の時代の重なりが生み出す緊張。近代的自我でありつつも同時にそれとは異なった何かであること。そして、あるものから別のものへと成りつつある様。―哲学者カヴァイエスの数理哲学を軸に展開される、現代思想の粋!
目次
総論 “重ね合わせ”の探究に向けて
第1部 ジャン・カヴァイエスの数理哲学―概念・生成・経験(直観主義と論理主義への視座―『公理的方法と形式主義』(一)
「修正された形式主義」の認識論―『公理的方法と形式主義』(二)
カントールと「中心的直観」―『抽象集合論の形成』(一)
デデキントの鎖と「数学的経験」―『抽象集合論の形成』(二)及び「超限数と連続体」
学問論と論理学の問題圏へ―『論理学と学知の理論について』(一)
“概念の哲学”の提唱―『論理学と学知の理論について』(二))
第2部 数学のエピステモロジーをめぐって―現象学との緊張関係(一つの哲学的生成―ブランシュヴィックからカヴァイエスへ;問題としてのイデアと一なる“宇宙”―アルベール・ロトマンのハイデガー読解;数学のエピステモロジーと現象学;「概念の哲学」と二つの数学の現象学―ゲーデルとプラデル)
第3部 エピステモロジーの諸相とその周辺(技術のエピステモロジー―ジルベール・シモンドンの哲学の一側面;シモンドンの技術論におけるイマージュと構想力;デュピュイの科学哲学とカタストロフ論;欲動・抵抗・努力)
補論 探偵小説生成論序説―パースの記号学から出発して
著者等紹介
中村大介[ナカムラダイスケ]
1976年千葉県生まれ。哲学者。早稲田大学理工学部卒業。関西学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程を経て、パリ西(第十)大学大学院で博士の学位を取得(哲学)。専門は、数理哲学、エピステモロジー(科学認識論)、フランス哲学。現在、豊橋技術科学大学総合教育院准教授。ジャン・カヴァイエスを中心に、数理哲学、フランス哲学の分野を広域に研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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