出版社内容情報
罪を犯すものと、罪を犯さないもの。その違いとは……
犯罪者たちの心理・行動を観察し、彼らの社会復帰のためにも働く司法心理学者が、自身の経験から、犯罪の背景にある暴力、性差別、格差、家庭問題などを丁寧にひもといていく。犯罪者の心理とその謎にせまるノンフィクション。
内容説明
犯罪者たちの心理・行動を観察し、彼らの社会復帰のためにも働く司法心理学者が、自身の経験から、犯罪の背景にある暴力、性差別、格差、家庭問題などを丁寧にひもといていく。犯罪者の心理とその謎にせまるノンフィクション。
目次
ここに怪物がいる
ビッグボーイズ・ドント・クライ
ブレイム・ゲーム
フェイキング・イット
呪術医と洗脳屋
パワー・プレイ
侮辱と損傷
男の世界
指の行方
安心安全
部分の総和
著者等紹介
デインズ,ケリー[デインズ,ケリー] [Daynes,Kerry]
司法心理学者。20年以上のキャリアをもち、The History Channel、Discovery、CBS Reality、BBC Internationalなどのテレビ番組にも多数出演している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
16
題名から、犯罪者をプロファイリングした解説のような内容かと思っていたら、もっと生々しい内容だった。まだ若い女性だった著者が刑務所で働いたときに受けたハラスメントやストーキングやDVの経験、ネットでの誹謗中傷について触れられていて、それらを通じて、犯罪を犯す加害者と被害者の関係や、回復にたちはだかる困難などが語られる。けれど、ところどころにユーモアもあって希望もあるので、ただ苦しいだけの内容ではありません。良かったです。2020/06/06
4fdo4
12
イギリスの司法心理学者がインターンとして働き始めてからの自伝。経験をもとにした実例の側面もあるのだがプライベートも入ってくるので学術的な本ではない。女性が男性刑務所で一対一の面談。読んでいるだけでもヒヤヒヤする。日本に同じ職種があるのか知らないが、かなりメンタルと体力が必要とされる仕事だ2025/02/01
DEE
11
司法心理学者の自伝的著書。刑務所や隔離病院で実際に起きた事件や、自らも巻き込まれたストーカー騒動など、かなり生々しく書かれている。 精神に支障をきたし殺人に至ったケース、妄想に取り憑かれたケースなど色々だけど、精神疾患の難しさの一つは、その程度が不明瞭なことだと思う。 治ったかどうかなんて明確に判断できないし、反対にあまり考えたくはないが治っているのに隔離されたままの人もいるのかもしれないし。 正常って何だろうと考えさせられもする。2020/10/06
長岡紅蓮
5
司法心理学者ケリー・デインズによるノンフィクションエッセイ。書籍の中で一番印象的だったのは、第3章 ブレイム・ゲーム。夫から日常的に暴力を受けていた女性が、夫殺しの殺人犯になってしまった話。形はどうであれ殺人は殺人。でも、そんなのってないよ……。と読んでいて苦しい思いでいっぱいだった。DVや児童虐待など、こんな目に遭っている人が多くいると思う。そんな人が被害者、加害者にならない社会、助けてあげられる社会にするためにはどうしたらよいだろう。2021/02/09
しじま
1
著者の自伝的な色合いが強かった。著者が司法心理学者として刑務所で勤め始めた頃に受けたセクハラや、長きにわたってネットストーカーに加害されてきた体験などの記述がしんどい。犯罪者は人々から理解され難いが、犯罪被害者もまた理解され難く、レッテルを貼られ救い甲斐のある良い被害者であることを強要され、そうでなければ懲罰を受けるという現実。それを変えるのは難しいだろうが、声を上げ続けることは必要だよなあ。2022/10/19