内容説明
左翼ポピュリズムは右翼ポピュリズムに対抗できるのか?権力の座を手にした左翼はどうすればよいのか?新自由主義的フェミニズムとはなにか?グローバル資本主義はファシズムに対する防衛手段なのか?生命のデジタル化はグローバル資本主義を延命させるのか?空前絶後の情勢に、唯一無二の哲学者が挑む。社会の根本的な変化は、真昼のうちに起こっている。
目次
序論 はじめにわるいニュース、次によいニュース…とはいえ、後者は前者よりわるいかもしれないが
第1章 情勢
第2章 権力の気まぐれ
第3章 アイデンティティから普遍性へ
第4章 エルンスト・ルビッチ、セックス、間接性
結論 われわれはいつまでグローバルに行動し、ローカルに考えられるのか
著者等紹介
ジジェク,スラヴォイ[ジジェク,スラヴォイ] [〓i〓ek,Slavoj]
1949年スロヴェニア生まれ。哲学者。リュブリャナ大学社会科学研究所上級研究員、ロンドン大学バークベック人文学研究所インターナショナル・ディレクター。ラカン派精神分析学と共産主義を武器に、哲学や政治理論における新地平を切り拓き、文学や映画を縦横無尽に論じている
中山徹[ナカヤマトオル]
1968年茨城県生まれ。専門はイギリス文学。一橋大学大学院言語社会研究科教授。単著のほか、スラヴォイ・ジジェクの翻訳を多数手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yooou
5
☆☆☆★★ とりあえず通読しました。何が言いたいのかよくわからないところが多かった。文章難しすぎる。しかし驚いたのは「ブレードランナー2049」や「ブラックパンサー」のあらすじをほぼ完全にネタバレしているという点。僕より映画観ているかも。しかしこんな風な観方で映画観てたら楽しめないだろーな2019/09/16
Э0!P!
1
ジジェクがこれまで主張してきたことも多々繰り返されている。リベラリズムが何故、支持を得なくなっているのか。新たなヴィジョンが見せられず、現実の解決能力を失っている。特に、今日唯一の闘争の場となっているアイデンティティと普遍性の議論(移民問題とフェミニズム)での失敗から、右翼ポピュリズムが増長しているが、これは最悪の選択肢である。左派の理論化が改めて望まれる。根本的な解決というのは難しいが、少なくとも一貫性のある議論はするべきである。2023/09/06
chiro
1
民主主義の崩壊が叫ばれている中でリベラリズムも同様に危殆に瀕している。著者はその状況が垣間見れる事実を並べながら今我々が甘受してはいけない状況にあることを伝えている。グローバル化が招来した格差は止まることを知らずむしろ、コロナ下でより大きなものとなっており、それに呼応するかの様にポピュリスティックな勢力が各国で力を増している。こうした状況はわが国ではまだ大きな動きにはなっていないが国力の衰えが顕著になって来た時それがどういう形で現前してくるのだろうか?2023/04/01
hannah
1
私にはまだ難しかった。前提とされてる知識が圧倒的に欠如してることを自覚した。 まず、タイトルのセンスがいい。”Like a thief in broad daylight: Power in the era of post-humanity”映画ですかって。 大量消費の資本主義社会では選択することが義務になっている。不気味なものは我々に欠如自体が欠如していることを突きつける。人ひとりの権利が及ぶ範疇ってどこまでなんだろう。他人の行為・言動等で、どこまで侵していいのだろうか。2020/12/08
肉欲棒太郎
1
最後の「ベンサムかテロか」に爆笑した。リベラル・ヒューマニズムか、解放運動の普遍性か。革命のためには馬鹿になるしかないと、もはややけっぱち。2019/08/09