出版社内容情報
天皇制のある国の日常とは
ネットお見合いで知り合った女性の深い秘密から、この国の機構のいびつさに接してゆく、『文學界』発表時から話題を呼んだ表題作。消えてゆく煙草とコンビニをペーソスとともに描いた「さようならコムソモリスカヤ・プラウダ」、実家と膨大な蔵書を処分する一幕「実家が怖い」、赤裸々に「艶舗」に通う日々を描く「五条楽園まで」、『ハムレット』の大胆なパロディ「ホレイショーの告白」の全五篇を収録。
小谷野敦[コヤノアツシ]
著・文・その他
内容説明
ネットお見合いで知り合った女性の深い秘密から、この国の機構のいびつさに接してゆく、『文學界』発表時から話題を呼んだ表題作。消えてゆく煙草とコンビニをペーソスとともに描いた「さようならコムソモリスカヤ・プラウダ」、実家と膨大な蔵書を処分する一幕「実家が怖い」、赤裸々に「艶舗」に通う日々を描く「五条楽園まで」、『ハムレット』の大胆なパロディ「ホレイショーの告白」の全五篇を収録。
著者等紹介
小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年茨城県生まれ。東京大学文学部英文科卒。同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。大阪大学助教授、東大非常勤講師などを経て、作家・比較文学者。2002年に『聖母のいない国』(青土社)でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
110
ネット婚活においては男性に選ぶ権利はほぼないそうだ。写真を公表しないヨウコさん。学習院卒にして文学者ばりの知識とセンスに仏文学者の純次はかなり興味を持った。「ねえセックスしましょうか。」東京ラブストーリーか?からのローマの休日への急展開。あなたは誰?側衛、つまりSP がいてベンツがお迎えに来る?そして週刊誌もやって来る。明日からカップラーメンは食べらるのか?ユーモアと教養溢れる会話、時々辛辣痛烈な世相への批判も含め全部おもしろい。なるほど、そうなんだ。互いの部屋を初めておとずれては最初に気になるのが本棚。2019/01/07
kokada_jnet
27
中編である表題作は、知的なお嬢様との恋愛・結婚に、長年、こだわりつづけてきた筆者ならではの、究極のお嬢様との恋愛小説であり、傑作です。2019/11/11
keith
24
初読の作家さん。短編集です。表題作は、ネットのお見合いで付き合い始めた彼女が、皇族の方だったというシュールなお話でした。あとはボチボチ。2019/01/22
モリータ
13
◆表題作、「実家が怖い」「五条楽園まで」、いずれも面白かった。◆表題作に私が入学した頃の文学部長のK先生が出てきてニヤリ。2019/04/30
軍縮地球市民shinshin
8
若い女性向けの恋愛小説のような、甘い装丁だが、収録作の多くが従来の小谷野の私小説で、特に「五条楽園まで」などは個人の風俗体験記のようなものだ。2018.12.15.19:30感想改訂2018/12/12