出版社内容情報
気鋭の万葉学者がみた、もうひとつの巨人の実像
いまもっとも求められるのは境域を超えて思考することだ。そして、古典学の未来はまさにそこにこそある。万葉文化論を提唱する著者が、民俗学のパイオニアの一人にして、はじめて『口訳万葉集』をつくった折口信夫の実像に迫る。ジャンルを軽々と越境する姿を活写する、まったくあたらしい異色の折口論にして、古典学ルネサンスの可能性を模索する渾身の書。
上野誠[ウエノマコト]
著・文・その他
内容説明
いまもっとも求められるのは境域を超えて思考することだ。そして、古典学の未来はまさにそこにこそある。万葉文化論を提唱する著者が、初の『口訳万葉集』をつくった民俗学の巨人に迫る。まったくあたらしい異色の折口論にして、古典学ルネサンスの可能性を模索する渾身の書。
目次
第1部 古典研究の未来(万葉研究の現状と研究戦略;万葉民俗学の可能性を探る ほか)
第2部 折口信夫的思考(歌による暴力;白川静と万葉集 ほか)
第3部 小説家・折口信夫(万葉歌から作られた物語、小説「神の嫁」の時空;「神の嫁」と憑依感覚 ほか)
第4部 戦時下の折口信夫(「アラヒトガミ事件」再考;高見順の見た折口信夫)
著者等紹介
上野誠[ウエノマコト]
1960年、福岡県生まれ。国学院大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。奈良大学文学部教授(国文学科)。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
9
折口について書かれた論考を集めたもの。何故か折口主人公の愉快な小説が二編載っており笑ってしまった。「こんなことをいうと恥ずかしい限りだが、私も折口やエリアーデと同じ方法を取りたかったのである。だから、本書は折口信夫の研究書ではない」折口的視点による国文学、万葉概観であると。「本書が方法論の書であるとするならば、近刊『万葉文化論』は各論を集成する書である」とのこと。著者は自らの論文の誤りやその指摘等を補説という形で書き加えており真摯な態度に頭が下がる。あとがきでは折口研究第三世代の名前をあげている2019/10/21
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