内容説明
ときには恋人が、妻が、母親が、娘が―怪物になった女たち。殺人へと彼女たちを駆り立てるものはなにか。歴史や事例などを詳細に検討しながら、その謎にせまる決定版。
目次
序 シリアル・スパルタシズム―女の攻撃性の政治学
第1部 女シリアルキラーの精神病理と小史(雌獣の性質―雌モンスターの精神病理;力、利得、欲望を追い求めて―女シリアルキラー小史)
第2部 二〇世紀における女シリアルキラーと共犯者のケーススタディ(アイリーン・ウォーノスのカルトと情熱―ポストモダンの女シリアルキラー;友人知己の殺害―“黒後家蜘蛛”と利得殺人;死ぬほど愛して―シリアルママ、死の天使、その他の殺意ある養護者;セックスと死とビデオテープ―シリアルキラーの共犯者としての女;ナチの雌犬とマンソン・キラー・ガールズ―カルトの女シリアルキラー)
結論 捕食者的な女の見分け方―女シリアルキラーのプロファイリング
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
25
動機に脈絡なき連続殺人鬼、シリアルキラーは女性にはいない、又はアイリーン・ウォーノスが初めてとの声がある。それに対し、ヴェルマ・バーフィールド、ドロシア・ブエンテ等実例を挙げて、それに反論する著者。日本でいえば、大口病院事件で次々と患者を殺めた女性看護師もその一人か。彼女らに唯一共通することは、犯罪者自身が「幼年期の残酷な水槽の中で生まれた被害者」だったと著者は指摘。サイコパスはそれに当たらないように思うが、幼い頃の悲劇を避けられれば、後の凶悪犯罪に繋がらなかったという推論に、ある程度共感。2023/09/11
ソニックゆうすけ
1
この続編を読んで思ったのは、男性のシリアルキラーに比べると、女性のシリアルキラーは、マニアな変態的嗜好はあまりないと感じた。ただ銃や砒素など、暴力としてはあまり肉体的な力を使わないで、連続して殺すという異常性はありました。歴史上の人物からマンソンファミリーまで興味深く読んだが、著者も書いている通り過度のフェミニズムは不要と思いました。2017/11/18
AO ( × ×)ノ⌒○
1
“どうやら女の殺人者の話となると、ラディカルなフェミニズムというものは、「女シリアルキラーは基本的に男の家父長制の抑圧的な陰謀の社会的副産物である」という主張に際限というものがなくなるらしいー強制収容所内限定の家父長制においてをや、だ。”2017/11/11
カンニバル竹山
0
誤植が多い。2018/10/26
みき
0
読み応えありました。シリアルの女の本って初めてです。けっこうな数の文献がよく分析されていると思いますよ。林真須美さんは無実かなぁと思ってましたが、やっぱり違うとおもいました。2018/08/30