出版社内容情報
石原千秋[イシハラチアキ]
内容説明
常に新しい解釈を誘い、多様な読みを可能にする漱石―。その漱石テクストに働く見えない制度・権力・欲望等の形をあぶり出す。家・家族・家庭をコードとしてテクストを反転させ、現代に生きる漱石テクストの新たな読み換えを試みるダイナミックな論考。待望の増補復刊。
目次
第1部 “家”の文法(『坊つちやん』の山の手;イニシエーションの街―『三四郎』;高等教育の中の男たち―『こゝろ』;博覧会の世紀へ―『虞美人草』;語ることの物語―『彼岸過迄』;階級のある言葉―『行人』)
第2部 “家族”の神話学(鏡の中の『三四郎』;眼差としての他者―『こゝろ』;『こゝろ』のオイディプス―反転する語り;反=家族小説としての『それから』;言葉の姦通―『それから』の冒頭部を読む)
第3部 “家庭”の記号学(修身の“家”/記号の“家”―『明暗』;隠す『明暗』/暴く『明暗』;“家”の不在―『門』;劇としての沈黙―『道草』)
著者等紹介
石原千秋[イシハラチアキ]
1955(昭和30)年、東京都生まれ。成城大学大学院文学研究科博士後期課程中退。同大学文芸学部教授などを経て、現在は早稲田大学教育・総合科学学術院教授(日本近代文学)。徹底したテクスト論の立場から文学の新しい読みの可能性を考究し、夏目漱石から村上春樹まで、国語教科書から国語入試まで、近現代に生成されたテクストを分析した著作を多数著している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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