内容説明
「男の闘い」が人類社会で果たしてきた意外な役割とは何か?教室を飛び出して総合格闘技の門を叩いた著者が、迫真の体験記と膨大な科学的・歴史的知見から驚きの真実を明らかにする!
目次
1 決闘の謎
2 モンキーダンス
3 タフな男たち
4 ゴリアテ退治
5 スポーツ的適者生存
6 戦争ゲーム
7 血に飢えて
8 闘いの意味
結 ダヴィデ退治
著者等紹介
ゴットシャル,ジョナサン[ゴットシャル,ジョナサン] [Gottschall,Jonathan]
ワシントン&ジェファーソン大学英語学科特別研究員
松田和也[マツダカズヤ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shun'ichiro AKIKUSA
3
MMAをはじめた文学者の話だが、おおむね人間はなぜ残酷さを好むのか、闘いを好むのかの話で、このテーマなら生物学者の話を読んだ方がいいのでは?と思ってしまう。翻訳はおおむね読みやすいが、著者を「英語学者」としていたり(English departmentとかのよくある誤訳)、総合格闘家の名前が流通しているものとはかなりちがったり、いくつかディテールが目についてしまうのは残念。2022/07/13
nizimasu
3
ぱっとみたタイトルだと格闘技のルーツなどパンクラチオンとかに行きそうですがそうではないのがミソ。あくまでキャリアの行き着く先が見えた学校の講師がじゃどうするかというところで出会った格闘技の実践の記録でもある。そこには自分が闘うことで尊厳を守ろうとする決闘のイメージが出てくる。さらには男という性の発露としての表現。そこにはモンキーダンスだったり子供の頃の戦争ごっこのようなやんちゃな部分をもう一度取り戻したいという著者の意識が垣間見える。それぞれの意味を辿りつつ最後にはオクタゴンにたつ。ノンフィクションだわ2016/05/23
in medio tutissimus ibis.
2
これは格闘の物語ではない。格闘を通じて和解する物語である。歴史上の大小様々な戦いでそうであったように、真正面でぶつかり相手の偉大を教え込まれることでしか、理解して和解し社会性を再構築することができない相手がある。例えばタフな男。あるいは中年の危機。たとえ後悔に値する敗戦を喫するとしても、納得は術t寧優先する。格闘は何も生まないかもしれないが、スッキリするのだ。だから、不安を抱えた人間は格闘に魅せられる。これは格闘の物語ではない。歩き出す物語だ。肉体的な意味ではなく精神的な意味で。ようこそ…『男の世界』へ…2023/05/05
ばにき
2
ある程度の年齢以上から格闘技を始める人は、自分の弱さに恐怖している人が多いというのは、自分にも当てはまる気がした。強くなりたいというのが原点だ。2017/04/02
eeelzettt
1
原題の"Why men fight and why we like to watch"(なぜ男たちは闘い、なぜ私たちはそれを見るのが好きなのか?)の通りの内容を、歴史、動物行動学、進化論などを引用しながら、著者の格闘からのフィードバックで紐解いていくスタイル。随所にユーモアも取り入れ、構成上の伏線も作られていたり、飽きさせず楽しめた。ヒレアシシギやミツツボアリについてはちょっと調べてみたい。マイク・タイソンからコンラート・ローレンツまで引用してく感じ。 2017/12/08