内容説明
時代と添い寝し、人と人とのあいだをまなざし、そのときどきの問題を犀利にえぐりだす。現場と伴走しつつ思想を鍛え、まだ見ぬ現実をひきよせようとする社会学者の軌跡。
目次
第1章 上野千鶴子を腑分けする―×小熊英二
第2章 団塊世代は逃げ切れるか―×北田暁大
第3章 幻想はリアルになる―×萱野稔人
第4章 古事記はなぜ生きのこったのか―×三浦佑之
第5章 戦後思想はこう読め―×岩崎稔×成田龍一
第6章 団塊世代はどう責任をとるか―×鈴木敏夫
著者等紹介
上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年生まれ。東京大学名誉教授。立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘教授。認定NPO法人WAN(ウィメンズアクションネットワーク)理事長。日本における女性学・ジェンダー研究のパイオニアにして第一人者。近年はケアや介護の現場にも関心を持ち、積極的にとり組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鳩羽
7
『セクシュアリティをことばにする』が性や身体といった私的領域の対談が収められていたのに対して、こちらは国家や近代や文学といった公的な領域に関する対談が多く、前提とする知識がなかったので難しかった。著者が影響を受け、何を研究対象にしていったかを腑分けする第1章や、団塊世代についての第2章、第6章が面白い。だんだん当事者主権の考えに固まっていったのも、自分の性や身体、年齢、世代と向き合い、その時々にぶつかる問題を人任せやメタ任せにせずにしてきた結果なのだろう。2015/07/29
Naomi
2
この本の中で対談されている方々の持っていらっしゃる語彙が、私の生活の中にある語彙と違っている。本当に日本語なのか…、誰かに簡単な語彙に訳してもらいたい。 なので、なんとなく書かれていることはこうなのかなという、私なりの理解で読んだ。読んで面白くないことはなかった。 ジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんとの対談は、ジブリ作品を違った方角からみれて良かった。2015/08/11
田中峰和
2
ジェンダーの研究者として著名な上野もすでに名誉教授だが、過激な言動はいまだに現役。社会学者や政治学者、哲学者など異分野の研究者との対談本だが、ジブリのプロデューサー鈴木敏夫との対談が面白い。二人は団塊世代でアメリカから受けた影響は大きい。「アナと雪の女王」のヒット要因を原発と集団的自衛権の影響と分析する鈴木。日本を好きになれない層が日常から逃れ、アメリカのディズニーに逃避したので大ヒットしたと主張する。一方、女が「アナ雪」に行くのは、男に希望の持てないゆえの逃避という上野。ジェンダー研究者らしい発言だ。2015/07/15
RISK
1
内容については詳しくないジャンルだというのもあってあまり語れないのですが、変換ミスや入力ミスが多すぎ!「セクシュアリティをことばにする」でも多少ありましたが、こちらの方がひどいです。入力間違って消し損ねたままとか、変なところで改行してしまったままになっているとか、あまりにもひどい!可能であれば初版でない方が読みやすいのではと思います。2015/07/04