内容説明
日々進歩し確実に実用に向かっている量子コンピュータ。チューリングやフォン・ノイマンの古典的コンピュータから、ファインマンやベルによる量子力学の展開を経て、ドイッチュの多世界を軸に、試行錯誤によって学習する機械、侵入不可能なパソコンやスマートフォン、超光速通信やテレポーテーションの可能性までを、わかりやすく網羅的に解説する。
目次
量子猫での計算
第1部(チューリングとそのマシン;フォン・ノイマンとそのマシン)
第2部(ファインマンと量子;ベルともつれた網)
第3部(ドイッチュとマルチバース;チューリングの後継たちと量子マシン)
不協和の量子
著者等紹介
グリビン,ジョン[グリビン,ジョン] [Gribbin,John]
サイエンス・ライター。サセックス大学客員研究員
松浦俊輔[マツウラシュンスケ]
翻訳家。名古屋学芸大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Jun 1960
10
後半特に難しい。量子力学はやればやるほど、実在とは何か?みたいな話になってきて、哲学もしくは、SFの世界みたいな話になってくるんだよなー。2014/06/05
nori
5
This week there are 2 incident concerned to Bitcoin; 1. Google announced prototype of quantum computer. 2. Xi urged blockchain technology. BTC dived and jumped. Must we understand as far way yet for utilizing quantum computer?2019/10/26
roughfractus02
5
量子コンピュータへの歴史を辿る本書は、その構造の詳細よりも発想に力点が置かれる。量子力学の局在性と実在性に関する問題を解く際にD・ドイッチュは量子コンピュータを仮想的に設定したという。これはチューリングがヒルベルト問題を解く際のチューリングマシンの設定を思い起こさせる。問題-解決の際の仮想装置として登場した両者だが、レベルが電子から量子へ微小に変わることで「資源」の意味も変わる。resourceは後者ではある時点の全ての状態にある思考素(cf.ミンスキー)を指す。読者が二次元に還元しがちな図も排してある。2018/10/06
nori
5
I read the book, since I am interesting future of blockchain. He said RSA could be decrypted around 4 minutes by quantum computer. But, there is no implication of time frame of development. A-bomb accelerated current computer, so how we predict next?2018/04/18
Junya Akiba
4
新たな知識も多く読み応えたっぷりだった。チューリングとノイマンの伝記に始まり、そこにファインマンが登場。そこで量子力学と計算機が結びつけられるが、その後が難しかった、、。古典的?コペンハーゲン解釈で染まってしまった頭で、本書で「1985年に量子コンピューター探求の始まりと目される論文」で述べられた「量子論とは干渉するパラレルワールドの理論である」という多世界解釈がすっかり当たり前に思えるには少し時間が掛かりそう。最後は光子、電子を用いた実装事例もあり包括的な内容だったが、各論をもうちょっと学ばないとね!2016/10/07