内容説明
量子力学の出現によって、理論と現実の間に奇妙な乖離が生じる。理論では実証されてもまったく現実味のないこの「奇妙にもやもやした」気分は何か?アインシュタイン、ボーア、ボーム、観測問題、シュレーディンガーの猫、相対論など、古典物理学から量子力学への転換に伴う重要事項を網羅し、量子力学の最先端と現実感のギャップを解消する。
目次
序論 自分のコンピュータを信じるわけ
第1幕 力学の行きづまり
幕間 主として哲学的な間奏
第2幕 現実をテストにかける
第3幕 観測を行なう
著者等紹介
リンドリー,デヴィッド[リンドリー,デヴィッド] [Lindley,David]
ケンブリッジ大学で理論物理学を修了。フェルミ国立加速器研究所理論天体物理学部門研究員、『ネイチャー』誌編集員、『サイエンス』誌編集員などを務めた
松浦俊輔[マツウラシュンスケ]
翻訳家。名古屋学芸大学非常勤講師。科学関連の訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ
2
量子力学、不確定性原理、観測問題、といった科学の問題と、認識論、および原初的存在論といった哲学の問題が、別個のものでも、対立するものでもない。そんなことを感じさせる興味深い内容であった。かと言って、内容について十分に語れるほどの理解はできていない、というのが正直なところであろうか。しかし、やはり本書の主題は量子力学の観測問題とそれに反するように観測(主観化)以前の、客観的実在が真実のように見える理由の説明といったところになるだろうか。観測以前の物質の実在について、量子力学では取り扱えない、→(2)2020/10/20
けんた
1
とても良書。要再読。よくある量子力学の入門書よりもさらに一歩、哲学的な方面に突っ込んで書かれています。観測問題についてもひとつの解答が示されており、入門書を2、3冊読んだような方におすすめです。2016/03/09