出版社内容情報
サブプライムローン問題以来、「世界恐慌再来」とまでいわれる目下の金融不安を、解説しつつ鋭く討議する。
内容説明
資本主義の歴史的構造変化と日米関係から、世界金融危機の全体像を鮮やかに描き出す。
目次
1 金融危機を資本主義の歴史からみる(金融危機とは何か―その歴史的構造;世界恐慌から軍事ケインズ主義の成立へ ほか)
2 アメリカの「世界の金融センター」化と日本(アメリカの戦略と対日政策―ニクソン・ショックからプラザ合意まで;BIS規制によってつぶされた日本の銀行 ほか)
3 「世界の金融センター」アメリカのしくみと手法(「金融権力」とは何か;投資銀行はなぜ消滅したのか ほか)
4 金融危機のあとに―資本主義のゆくえ(ドル基軸通貨体制と石油;ルーブルを基軸通貨にしようとするロシアの戦略 ほか)
著者等紹介
本山美彦[モトヤマヨシヒコ]
1943年生まれ。経済学博士。京都大学名誉教授、大阪産業大学経済学部教授。1969年京都大学大学院経済学研究科博士課程中退
萱野稔人[カヤノトシヒト]
1970年生まれ。哲学博士。津田塾大学学芸学部国際関係学科准教授。2003年パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小鈴
9
リーマンショック直後の12月に出版された本を二年後に読んでる訳だが、萱野氏の日米金融関係論は的を得ていて、いま読んでも妥当性があります。 萱野さんの専攻って経済史だっけ!?というくらいです(笑)(正解=哲学専攻)。ショック直後は本やら雑誌やらいろいろ読んだが、これが一番よく分かります。なぜなら、リーマンショックを引き起こした構造と日米関係がクリアに分析されているから。対談形式だが読みやすいのでオススメ。たまに対談相手の本山氏が感情的なのが玉に傷だけど。2010/12/09
柴犬 太郎
1
対談形式なので、読み易い。金融危機の前後関係が良く分かる。2009/04/23
afro
0
4章から2012/04/02
よこづな
0
亀井静香にも理があるってことだな。2009/11/28
さえきかずひこ
0
国家と資本主義というシステムが織り成す金融が金融そのものを押しつぶす(自壊)するかもしれない仕組みであるというのはじつに皮肉である。結論は結局、経済ナショナリズム。精神的に米国の奴隷であることをやめて、アジアやロシアやインドとも仲良くしていかないとね、という言説に目新しさはとくにない。地味でいい対談。2009/11/23