内容説明
よるべなき虚空をゆく一個の疑問符は何を貫き、何に融けるのか?“少女”という憑坐を得て、いま言葉はうたい、さわぎだす。圧倒的新星の伝説的デビュー作を含む7編、ここに爆誕。
著者等紹介
川上未映子[カワカミミエコ]
1976年8月29日大阪府生まれ。『夢みる機械』(2004年)、『頭の中と世界の結婚』(2005年)など3枚のシングルと3枚のアルバムをビクターエンタテインメントより発表。2005年「先端で、さすわさされるわそらええわ」(『ユリイカ』05年11月号)で文筆家デビュー。2006年随筆集『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』を刊行。2007年初めての中編小説「わたくし率イン歯ー、または世界」(『早稲田文学0』)で第137回芥川賞候補となる。同年第1回坪内逍遥賞奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
154
詩集、に分類されている、川上未映子作品。詩集なんて金子みすゞぐらいしか読んだ記憶がない、何故って苦手だから。苦手ってあなたも歌は聴くでしょう、歌には歌詞っていう詩があるのよ、残念、俺は歌は歌詞では聴かない、歌は音楽として聴くだけで、歌詞にはいっこうに注意がいかない、だから詩は苦手って言ってるでしょう、じゃあ何故読んだの、決まっているじゃないか、川上未映子作品が読みたいからです、で、解ったの?いや、よくは解らなかったよ、でも凄く、綺麗なものが見えた。気がした、川上未映子の、心が、見えた気がした、映像みたく。2025/03/10
里季
61
うーん。年齢的なものか、ちょっと無理だった。 文体は心地よく音楽を聴いているように流れていくのだが、なんのことやらふわりとした雰囲気のようなものしかわからない。 いつか再読してみよう。2017/11/25
里愛乍
47
デビュー作からダイレクトな単語が多くて、首だの血だの性交だの難を言えば読みにくい、けどこれがこの人の文体で形として必要なのかもしれない。なぜなら自分の直覚が読んでいて肯定しているのが分かる。言葉とはそれ意外のものにはならない。だから表現も他のものにすればおそらく意味は変わってしまう。私が今受けている直覚はこの読みにくさからそんなところを捉えているように思えてならない。リズム、音の激しさ凄まじさを文字から感じる。特に延々と性交について論議し合う、『告白室の保存』には最後まで圧倒された。2017/12/11
かさお
38
詩集?文筆家デビュー作、みえこの頭、夢の中、浮遊霊のごとく浮かび同じ空間にいた私。身体器官への強いこだわり、髪の毛、卵、女という器について、諦めない姿勢が妄執的。1文が16行にわたる、なぜ?どうして?の男女の会話の「告白室の保存」こんな面倒臭い女は嫌だとする男の顔が目に浮かぶ。全てみえこの頭の中の世界なので、理解する必要はない。理解するなんておこがましい。私はみえこじゃないから。お気には最後の「夜の目硝子」酒井駒子の絵で絵本にしてほしい。空想幻想と客観的論説とのギャップが面白く村上春樹を読むときと似てる。2022/07/05
けいこ
33
全く受け付けなかった。生と性の、とても壮大な世界観なのだと思う。読みにくいし、何言ってるんだろうって理解できないし、こんな読書は久しぶり。でも、否定じゃなくて、これをスッと受け入れられたら川上さんも逆にガッカリするんじゃないかと思うぐらい、強いエネルギーは伝わってきた。とは言え、自分の読解力無さや感性の鈍さに落ち込む(苦笑)2024/06/30