内容説明
ある文学的な、熱帯の、ボーイズ・ラヴの物語。アルモドバルのようにエモーショナル、ウォン・カーワイのようにセンシュアル、パゾリーニのようにセンセーショナルな、衝撃のラテンアメリカ・ゲイ作家列伝。
目次
1 脚―幼年期と思春期の回想
2 マヌエル・プイグ―ディーバとしての作家
3 レイナルド・アレナス最後の日々―海のごとく深い悲しみ
4 フェデリコ・ガルシア・ロルカと内面化されたホモフォビア
5 もうひとりのハイメ・マンリケ―死せる魂
6 最近
著者等紹介
マンリケ,ハイメ[マンリケ,ハイメ][Manrique,Jaime]
1949年コロンビアに生まれ、映画と文学を愛するゲイとして成長する。高校時代に渡米、コロンビア大学の創作講座でプイグの薫陶を受ける。ニューヨークで英語による作家活動に入り、アレナスと親交を結ぶ。二人の死後、初のゲイ・ノヴェル『マンハッタンのラテンの月』(92年)、詩集『ロルカと過ごした夜』(97年)などで注目を集め、『優男たち』(99年)はジョンソンの『詩人伝』に喩えられる高い評価を獲得した。近年は『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』の書評者として活躍、コロンビア大助教授として教壇にも立つ
太田晋[オオタシン]
1968年東京生まれ。東京大学大学院(英語英米文学)単位取得退学。成城大学法学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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goえみ
1
同性愛のラテン作家たちの波乱の人生をまとめた一冊。かつてスペインの内戦やその他ラテン諸国の独裁政治がどれほど同性愛者を迫害したか。そのためみな嘘をついて偽の人生を生きるか、さもなければアメリカに渡るかという二択しか道がなかったこと。さらにエイズがとても身近にあったのに本人が同性愛者を名乗らないので、医者も病名をはっきり告げず、なんとたくさんの人がその病気で亡くなっていったことか。作者もまた同性愛者で、彼の生い立ちも幸不幸にまみれながらも色々と面白く、プイグとのやり取りも、訳がうまいのですごく楽しめた。2020/01/21
まっきaka谷林
1
アレナスと聞いて。挿画と内容がマッチしてるの地味に素敵。2013/03/20
禾原
1
オカマ偉人伝。2013/03/10
caster1
1
作者含めて4人の同性愛作家についての評伝。同性愛者としての自分と向きあっていく作者の前半生、フェミニンなプイグ、「女々しい」オカマに嫌悪し、同性愛を抑圧するファシズムと闘争するロルカなど、それぞれの立ち位置の違いが興味深かった。2010/06/25
北村真規子
0
ハイメ・マンリケの素晴らしい自叙伝にして、この上ないオカマ偉人伝!本書を読むと、ここで取り上げられたアレナス、プイグ、ロルカの作品がもれなく読みたくなること間違いなし。ハイメ・マンリケ自身の小説作品もぜひ読んでみたい。あとがきにあらわれる翻訳者の温かな眼差しに心温まる。2013/12/28
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