歪んだ建築空間―現代文化と不安の表象

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  • サイズ B6判/ページ数 421,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791762927
  • NDC分類 520.4
  • Cコード C1070

出版社内容情報

近代の成立とともに孕まれた症候が、折れ曲がり、褶曲して、最先端の建築空間に浮上する。現代の不安の根源を指し示す空間論。

内容説明

パスカルの強迫観念、フロイトの恐怖症、ル・コルビュジエの「えも言われぬ空間」、ベンヤミンの一方通行路、ドゥルーズの「襞」、リベスキンドのヴォイド、そして他領域と交雑する現代建築家たち…近代の成立とともに孕まれた症候が折れ曲がり、褶曲して、最先端の建築、アート、サイバー空間に再浮上する。現代の不安の根源をさし示す野心的な空間論。

目次

空間恐怖―パスカルからフロイトまでの虚空の構築
広場恐怖症―都市空間の精神病理
無限を枠に入れる―ル・コルビュジエ、アイン・ランド、そして「えも言われぬ空間」
通路の空間―疎外の建築:ジンメル、クラカウアー、ベンヤミン
行き止まりの街路―ヴァルター・ベンヤミンと気晴らしの空間
空間の爆発―建築と映画の虚像
メトロポリスのモンタージュ―クラカウアー、ベンヤミン、エイゼンシュテインの映画としての都市
現場はここだ―犯罪現場の空間消失
ホーム・アローン―ヴィト・アコンチの公共領域
フル・ハウス―レイチェル・ホワイトリードの脱家事的キャスト
ロスト・イン・スペース―トバ・ケドゥーリの建築的断片
ディープ・スペース/抑圧された記憶―マイク・ケリーの教育複合体
ターミナル・トランスファー―マーサ・ロズラーのパッセージ
アンゲルス・ノヴス―コープ・ヒンメルブラウの表現主義的ユートピア
バロックを越えて―カルヴァー・シティのエリック・オーエン・モス
「デス・キューブK」―モーフォシスのネオフォーメーション
スキン・アンド・ボーンズ―ライプニッツからリンまでの褶曲形態
エンプティ・スペースに建てる―ダニエル・リベンスキンドと脱空間の虚空
惑星、彗星、そしてダイノサウルス―前歴史的主体/脱歴史的アイデンティティー

著者等紹介

ヴィドラー,アンソニー[ヴィドラー,アンソニー][Vidler,Anthony]
1941年生まれ。ケンブリッジ大学、同大学院で建築を学び、コーリン・ロウに就いた。1965年から1993年までプリンストン大学建築学部で教え、その間、1990年には同校のウィリアム・R・ケナン記念講座の教授に推挙された。1993年からはカリフォルニア大学ロサンゼルス校教授、同学部長に就任、2001年、ニューヨークのクーパー・ユニオンのアーウィン・S・チェイニン記念建築学科教授に就任、2002年には学長に就任した。専門は近代建築史、現代建築史とりわけ啓蒙期以後のフランス建築である。グッゲンハイム財団、ナショナル・エンダウメント・フォー・ジ・ヒューマニティーズから受賞し、ゲティー・センターのスカラーであった

中村敏男[ナカムラトシオ]
建築史研究者。1931年、東京都生まれ、早稲田大学理工学部建築学科卒業。近代建築社、鹿島出版会を経て1971年より1995年まで建築雑誌「a+u」編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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