占領の記憶/記憶の占領―戦後沖縄・日本とアメリカ

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  • サイズ A5判/ページ数 395,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791762200
  • NDC分類 219.9
  • Cコード C0095

内容説明

文学という想像力のフィルターを通すとき、被占領経験はどのように再現されたのか。女性作家は支配的な男性の物語に対して、いかにしてカウンター・ヒストリーと成りえたのか。沖縄文学は歴史の記憶について、戦後日本人に何を教えてくれるのか。戦後占領期の言説空間と日常生活をよみがえらせ、沖縄・日本・アメリカの現在を問い直す占領期研究。

目次

イントロダクション―焼跡と金網
第1章 無人地帯への道
第2章 文学に見る基地の街
第3章 差異の暗部
第4章 戦後日本の表象としての売春
第5章 両義的なアレゴリー
第6章 内なる占領者
エピローグ―ポスト・ベトナム時代の占領文学

著者等紹介

モラスキー,マイク[モラスキー,マイク][Molasky,Michael S.]
1956年アメリカ・セントルイス市生まれ。シカゴ大学大学院東アジア言語文明学科博士課程修了(日本文学で博士号)。現在ミネソタ大学アジア言語文学部準教授。専攻は現代日本文学。特に日本・沖縄戦後文学を中心に幅広い視野と精緻な分析力で研究。1970年代から延べ10数年にわたって日本に滞在

鈴木直子[スズキナオコ]
1969年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程修了、文学博士。青山学院女子短期大学助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Toska

14
著者は元々アメリカの占領が日本戦後文学に与えた影響を論じるつもりであったのが、ふと思いついて沖縄文学の視点を加えたところ、研究の範囲がとめどもなく広がったという。確かに、本書から沖縄の要素を取り除いたら全く異なる内容となったことだろう。加えてジェンダー間の格差や、部分的だが黒人差別の問題とも絡められ、これら乱反射する光の中で戦後日本の実相が浮かび上がってくる。2024/07/23

子音はC 母音はA

3
沖縄を基軸に米軍占領の記憶を多くの文学作品で読み解く。第四章の(戦後日本の表象としての売春)が白眉。「日本の貞操」等の占領期に米兵に蹂躙された女性の告白の形で語られた本は実は男の欲望の消費のために男によって創られたものであるとスッパ抜く。2014/07/22

Shinsuke Mutsukura

1
色々、考えさせられましたが、戦争は負けちゃぁいけないってことですね。  それと、共産党の連中のウソが暴かれているのが面白かったです。 やっぱり、沖縄みたいなところは、連中の金のネタになる餌がいっぱいあるってとこです。2018/09/24

うずまきねこ

1
「無人地帯への道」での男性の書き手が被害者を仕立てるのに女性の領有という手段を取ることだったり、「両義的なアレゴリー」において、男性による占領文学の両性の書き手に生じる差異を、各々の目線に注目しているところが興味深い。買春を取り上げた作品でも、完全にその実態を明らかにするのではなく、表現における「道具」のように捉えてるところも学ぶ点がある。書き手の性によって解釈の方法が変わっていくというのは、やはりジェンダー論をしっかり踏まえないと出来ないだろう。また読んでみたい。2014/07/29

ftoku

1
ネイティブの女性が身体的被害(強姦・売春等)に遭うようなローカルな事件を通して、ナショナルな支配関係を問う形式の多い日本の占領文学。だが、そんな男性本位のNTR文学も、女性作家や沖縄の作家の占領文学を探ると新たな歴史が見えてくる。2012/05/11

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