内容説明
最古の世界宗教の謎を解く。預言者ザラスシュトラの啓示に始まるゾロアスター教は、最古の世界宗教として、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教をはじめ現代の思想にまで大きな影響を与えてきた。「一神教」「天国と地獄」「善悪二元論」「永遠の生命」などの観念もゾロアスター教に発するとされる。起源、歴史、儀礼、思想、世界観、そして幾世紀もの苦難をへて生きのびた今日の姿も紹介。
目次
1 ザラスシュトラの善教
2 ゾロアスター教の父、ザラスシュトラ
3 ゾロアスター教の歴史
4 インドのゾロアスター教徒―パールシー
5 ゾロアスター教聖典『アヴェスター』
6 ゾロアスター教の精神と倫理
7 祭祀と通過儀礼
8 未来を見るゾロアスター教
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サメ社会学者Ricky
4
終末思想をはじめ、キリスト教などに多大な影響を及ぼした古代からの宗教、ゾロアスター教についての本。ゾロアスター教についてひたすら知識を説明しているだけなので、興味関心がないと読みずらいだろう。しかし、自然的なものに重きをおく点、厳格になることもある教義ではあるが現世の幸福を大切にしている点などは、他宗教と比べると面白い。2015/02/08
竜王五代の人
1
割と、現在の信徒のありかたに重点をおいた概説本。ゾロアスター教徒は、善悪二元論という凄惨な世界観にも関わらず、辛気くさくない、人生は楽しく生きるべし、人助けも大切だというポジティブな教えに沿って生きており、それが人口の少なさに見合わない経済力につながっているとか。/ずっと口承で教典の成立が創唱者の没後数世紀、言語自体が変化している上に融通無下な綴りかただったというから教典の解釈に難あり。加えて迫害による散逸もある。どこまで原型なんだか? 教祖ザラスシュトラの肖像画さえ、近世になって夢想で得たものだとか。2023/11/29
kanata
1
映画ボヘミアン・ラプソディを観てフレディ・マーキュリーとその家族が信仰していたということで、元々クイーンのファンだったのでネットで調べられるような内容は知っていたが、改めて学ぼうと思い読了。「善思・善語・善行」という映画でも語られていた言葉が繰り返し出てきて、重要視されてることがよくわかった。 最古の宗教の一つだが現代に活かせる教えが多そう。一般的な善行はもちろんお金を稼ぐことも善の内に入れていることも面白い。 救うものは存在せず、自ら善良な選択をしなければならない。 「人間は理性による思考が可能だ」2019/01/31
Fige
1
図書館でふと目に入り気になったので借りてみた。ちょうど日経新聞の「私の履歴書」で連載中のラタン・タタ氏がゾロアスター教だから気になったのだろう。同教については、拝火という儀式的なこと、キリスト教・仏教・イスラム教等に影響を与えている(天国と地獄、最終審判等)ことぐらいの認識だった。実際には、儀式を否定したところから始まった宗教であり、また、他にはない特色として、病気や貧困等の社会の邪悪と戦うため、俗世の生活を大切にすることが求められるという点もおもしろい(商業・金融業に精通しイラン文明を支えていた)。2014/07/13
trash
1
今のゾロアスター教信者たちについてちょこっと書いてあるのがよかった。ゾロアスター教徒はゾロアスター教徒としか結婚できないってハードル高すぎじゃ。。(そうじゃない宗派もある)2013/05/30