内容説明
デヴィル・サタン・ルシフェル・メフィストフェレスなど、古代から現代にいたるさまざまな悪魔像の変遷を、神話・宗教・文学・歴史・心理学や、社会的背景などから克明にあとづけた悪魔学の決定版。西欧の「罪」の文化史。
目次
悪
世界の悪魔
善なる主と悪魔
キリストと悪の力
サタンと異端
二元論と荒野
古典的なキリスト教徒の見解
庶民とエリートのルシフェル
スコラ学者、詩人、劇作家
唯名論者、神秘主義者、魔女
悪魔と改革者
壮麗な玉座高くに
地獄の崩壊
ロマンスからニヒリズムへ
悪の統合
アウシュヴィッツと広島
悪の意味
著者等紹介
ラッセル,ジェフリー・B.[ラッセル,ジェフリーB.][Russell,Jeffrey Burton]
カリフォルニア大学・歴史学科教授。哲学博士。西欧中世史の研究の中から、悪魔の意味の重要性に着目
大瀧啓裕[オオタキケイスケ]
1952年、大阪生まれ
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感想・レビュー
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マウリツィウス
19
【キリスト教史上の悪魔】アフリマンを原型とされることの多い悪魔像は光の天使の失墜からその神話的実像を含めていく。メフィストの存在が変えてしまったのは悪魔を大衆化させ迷信としての姿を覆したことだ。ルシファーとはボゴミル派やウィリアム・ブレイクの解釈により徐々にその異端性を帯びていく対象概念のことで神学者は歴史からそうした世界観を神学像に還元することにより力を制御した。バルト以降の神学的悪魔廃絶論は「神の死」到来の犠牲と共に勢力を沈静化するも文化史に潜むクトゥルフは生存を続ける。文化史/宗教史遍在の《大敵》。2013/05/02
数学の問題集
0
ゲーテ『ファウスト』のメフィストフェレスについて調べるためのところどころを参考に読んだ。読みやすいのは訳がいいからなのだろうか。暇ができたらぜひとも通読したいと思わせるような本でした。2015/01/28