内容説明
ヘーゲルの「法」哲学は、法律の哲学ではない。社会と権利の哲学である。分かればものすごく面白い。「法」哲学本文・注解・補遺はもとより講義ノートをも解釈・復元し、テキスト・データベースを活用して、ヘーゲルの言葉をいきいきとしたドラマティックなイメージに再現し、ヘーゲル思想の核心をくみつくす。
目次
1 ヘーゲルに「法哲学」なんてありはしない
2 友愛こそは自由であり平等である
3 誰が私の身体を所有するか
4 譲渡があるから所有がある
5 承認は契約の前提である
6 オレステスの犯罪とその「止揚」
7 正義のために世界が亡びるなんて本末転倒だ
8 エゴイズムと正義の錬金術
9 習慣という怪物の背中で
10 トポスとしての家
11 権利と市民社会
12 国家―結晶と流出
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
SE
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ヘーゲルの法哲学はヘーゲル研究者でも「何を言ってるのかさっぱりわからない」ともらすほど難しいらしい。法哲学と歴史哲学の整合性について考えている個所が非常に面白い。法哲学では国家が実体であるとされるが、歴史哲学においては国家が複数登場し、国家が実体なのだとすると実体が複数存在するというあり得ない事態になる。そのため歴史哲学においては世界史が実体なのではないかという話。著者によるとヘーゲルの歴史哲学は彼の体系において付け焼刃でしかないそうだが、これは知らなかった。2016/06/13
ソーシャ
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著者曰く「ヘーゲルの『法』哲学を、誰にでも分かるように解説した本」ですが、結構内容は難しく理解に時間がかかる本です。「権利(recht)」の成り立つ過程についてなどヘーゲル『権利(法)の哲学』の要所について例などを交えながら解説していて、ヘーゲルの思想の魅力の一端を感じられます。あと各回のはじめにある男女の対話が妙に色っぽいですね。2014/04/18
yasuhitoakita
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ヘーゲルおもしれー!と思わせてくれる一冊^^2013/05/28
Hisashi Tokunaga
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原典を読むに限るのか、本書で理解を早めるか。「モノの側についていた意志がモノから自立するのが譲渡・・他人の意志と共通になったときに交換、譲渡が成立。共通普遍的なものが価値。・・譲渡が所有を権利として他者に認めさせる=譲渡(交換)こそが私の内なる所有権の社会的承認なのだ。」位の理解がぼんやりだけど先ずはできたかな。加藤氏はヘーゲルで財産築いたかな?(2013.3記)
komi_komi
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図書館。 分業と交換から成り立つ「普遍的依存症の体系」が、価値と権利の発生基盤になり、それによって個人の自立が可能になり、個人の普遍性への自覚という近代文化(教養)が成り立つ。スミス的分業・交換のシステムを社会全体のもっとも基礎的な原理として体系化(245) 反復構造の歴史性という限界を抱え込む市民社会論および自然哲学。進化論という一回性を含む原理を受け入れられない。(←→ヘーゲル歴史哲学)。移行過程論の不在はマルクスも同様(231)2009/01/23




