フェルナンド・ペソア最後の三日間

フェルナンド・ペソア最後の三日間

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  • サイズ B6判/ページ数 121p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791755639
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

内容説明

1935年11月。フェルナンド・ペソアは聖ルイス・ドス・フランセゼス病院で死の床に就いていた。苦悶の三日間、ポルトガルの偉大な詩人は、訪れたかれの異名たちと話を交わし、最後の遺志をつたえ、生涯の伴侶であった亡霊たちと対話を交わす。それはまるで妄想のなかの出来事。小説とも(架空のものだとはいえ)伝記ともみえる短篇の中で、アントニオ・タブッキは20世紀最大の作家のひとりの死を、やさしく情熱的に描いている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

205
ペソアの最後の3日間をタブッキの想像力が綴った幻想物語。痛み止めに打った阿片で、半ば朦朧とした状態にあったペソアの病床を何人もの知己が次々と訪れる。それらの内の誰が実在の人物であり、また誰が異名者であるのかも混沌としたままだ。もっとも、すべては幻想と幻視の中にあるのだから、そうした区別はそもそもが無用であるのかもしれないが。何人もの異名者を持っていたペソアにとって、此岸との訣別には、こうした儀式が必要であったのだろう。おそらくタブッキにとっても。仄暗い中を彼岸に旅立つペソアにタブッキは眼鏡を贈った。2014/12/05

nobi

83
涙ながらの別れが描かれた三日間ではなかった。近くの友人達との普段の他愛のない会話が続くよう。伊勢海老の美味しい調理法とか大西洋に面したテラスからの眺めとか。身体は疲れていても気持ちは寛いでいる。ただペソアの分身とも言える異名者達との会話は、無論彼らの名で残された作品を踏まえているであろうから、短編集一冊しか手にとっていない私には、その奥行きを感じることしかできない。病院の一室はリスボンのレストランへサマルカンドへギリシャ神話の世界へ…広がっている。タブッキは、彼を友人達で囲みその最後を孤独にさせなかった。2020/08/01

どんぐり

74
ポルトガルの詩人フェルナンド・ペソアへのオマージュなのか。そもそもペソアのことを全然知らないのだから、理解力はゼロ。最期の3日間、せん妄状態のなかにあって交わされる友人・知人との夢うつつの会話。最後の言葉は、「眼鏡をとってください」2019/03/11

zirou1984

49
本編と解説を何度も行き来しながら、言葉の裂目の中へゆっくりと潜り込んでゆく。たった一冊の本を読むことが、無限に開かれた想像力の星空へと繋がっていく。タブッキが誰よりも敬愛したポルトガルの詩人、ペソアの体験する内なる他者、私でない私たちとの対話録。それは外なる他者に、自分になりきれない自分らに、私らしさから見放された私たちにどうしようもないくらいに届いてしまう。その痛みこそが想像力の可能性だと響いてしまう。全ての引き裂かれた自己を祝福する、夜の中で全てが人生の伴侶と感じられる様な、眩暈がするほどの陶酔感。2016/06/02

mizuki

48
アントニオタブッキによるフェルナンドペソアの死をやさしく情熱的に描いた本書。読んでいる間、とても心が穏やかでした。こんなにも優しいベールに包まれた三日間、そして最後を迎えた瞬間もまた、穏やかな想いのまま読了できました。タブッキがペソアの作品だけでなく、彼自身を尊敬していた気持ちが大変伝わってきました。タブッキの『夢の中の夢』も良かったのですが、こちらの作品の方が読みやすいように感じました。タブッキもペソアの詩も追いかけたいと思います♩2016/05/28

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