内容説明
聖書を舞台に、数千年にわたって西欧文化の主役を演じつづけてきたGODとは、どんなキャラクターだったのか。創造主から解放者、調停者、処刑者へとさまざまに変身し、父となり、やがて、日の老いたる者として舞台から消え去るGOD。―その生涯を、聖書研究の最新の成果を背景に、犀利に描き出し、キリスト教二千年の既成観念を根底から覆す、話題沸騰の問題作。本年度ピュリッツァー賞受賞。
目次
1 序幕 神の生涯は描き得るものか?
2 生成
3 幕間 何が神を神のようなものにするのか?
4 高揚
5 試練
6 幕間 神は失敗するのか?
7 変容
8 幕間 神は愛するのか?
9 復興
10 対決
11 雲隠れ
12 組み入れ
13 終幕 神は興味を失うのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
卯月
1
旧約聖書と、ユダヤ教のヘブル語聖書「タナク」は、含まれる文書は同じだが並びが違う、と初めて知った。タナクに基づき、一人の登場人物として神を描く。多神教ならば、破壊と創造は別の神に役を割り振れるが、神は一人。ヤハウェ、エロヒーム、またはヤハウェ・エロヒームと呼ばれる際、性格が異なるのが興味深い。神は最初から全知全能だと思っていたが、神は何かを行った後で性格の新たな一面を発見し、失敗してやり直したりする。一神教の神には対等の存在がいないため、人間との関係を通してしか自己発見しない。非常に難しいが、面白かった!2015/01/12
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