感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
非日常口
20
柄谷行人×佐藤優対談のみ。柄谷さんが言語論に向かった理由を確認。個人的には、貨幣になる上で金など使用価値に定着しないといけないということを理解はしていたが、若干引っかかるところが残っていたのが、「共同主観性は複数ある。そしてそれを越える共同主観性はない」という柄谷さんのコメントでそのしこりがとれた気がした。これから残りの部分であるDの宗教論に向かうであろう柄谷さんの仕事が楽しみだ。2015/01/14
なっぢ@断捨離実行中
8
「もちろん柄谷は自分の戦略が基本的に不可能なものであることを認めるだろう。しかし、柄谷が提示しているような道徳的ー政治的批判をおいて何があるだろうか。柄谷は、マルクスのように、さらにデリダのように、資本=ネーション=国家の三位一体を越えてアソシエーショニズムを把握することは、アポリア的であることを認めた最初の人なのだと思う」。2017/05/10
Z
5
マルクス理論の大拡張。生産関係で、歴史を見るのではなく、交換関係として見ることで、具体的には、贈与ー返礼(道徳、宗教)、収奪ー再分配(国家、官僚)、売るー買う(経済)、+X(それを越える何か)、マルクスの功績を、経済分析かつ、その方法論に限定し、それをもとに、他の分野の交換関係を分析し、世界史の分析かつ、現在に継続可能な対抗を探る。対談見る限り、やはり、経済政治、哲学に限定されない、応用のされ方、対話可能性を備えており、視野の拡大は保証されている。氏の、バックグラウンド、思想の背景などが知れるのが一番2014/12/30
e.s.
2
ヘッセがドイツからスイスに移りユング=ニューエイジに接近していったのに対し、バルト=フロイト的切断が必要だと言うことだろうか。日本的文脈においては、アンチコミューン主義的な労農派マルクス主義。可能性としてのスイス。2015/07/27