出版社内容情報
HPラヴクラフトによって作り上げられたクトゥルー神話。2017年の没後70年に際し改めて脚光を浴びた〈クトゥルー神話〉をハイカル、サブカル、多方面から迫る特集。
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読書という航海の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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6
最近のユリイカにしては硬派な内容で驚いた。現代思想かと思った。TRPG、ネットを中心に定着した「クトゥルフ」ではなく、敢えて今「クトゥルー」と表記しているのも何らかの意思表示だろうか。しかし、かと言って過去に視座が絞られているわけではなく、多角的なアプローチを目指した結果、散漫な論考が並ぶいつものユリイカクオリティである。雑誌の中でも何度か言及されている、ミシェル・ウエルベックの「H・P・ラヴクラフト」刊行に併せた企画なのだろうが、それならクトゥルフよりラヴクラフト本人を掘り下げるべきだったのではないか。2018/03/23
ちゅるふ
4
中の二編ほど、日本語は使われているのであろうが、こっちの読解力の低さゆえか、全く理解できない物があった。さすがは、ユリイカ。2018/01/29
flatscan
2
特集「クトゥルー神話の世界」既出の情報が多いが、アメコミや中華圏の話は興味深く読んだ。一方、哲学のは異様。生物学のは面白いけど最初から限界が見えてて残当。HPL本人とその周辺を綺麗に整理してる笹川吉晴の「クトゥルー教団の興亡」はよい。民俗学の切り口でHPL本人を捉え直したピーター・バナードの「壁の中の狂人」は慧眼。特集がクトゥルーなのにHPLの翻訳掲載が「ロマンス小説」ってのは笑う(逆に恐怖小説でのあのくどい文章は、演出で書いてるのが良く分かる) いっそ「クトゥルーではないHPL」の特集を読んでみたい。2020/04/28
ピロシキ(•ө•)♡ オノパパです
2
ユリイカってのはみんなこんなテイストなんだろうか? このクトゥルー特集を始めとして色々と興味深いものを取り上げているが正直どの章ものめり込めなかった。難しく、高尚な文章でどれも学会の発表会のレジュメみたいだった。資料とすると充実していて価値があるのだろうけど、あの真夜中にクトゥルー神話をドキドキぶるぶるしながらページを繰った興奮は思い返すことができなんだ。残念であります。2018/09/20
tubokabi
2
ラブクラフト全集は2年前くらいに憑かれたように読み通したけどあんまりストーリーは覚えてないから読み返そうかな。クトゥルフ体系の開かれた構造はやっぱりコズミックに知性感性をくすぐってくる。パロディ小説も、尖ってる感は否めないが面白かった。現代思想界隈で最近よく聞くオブジェクト指向存在論のハーマンの論文は哲学潮流の逆張りをしてるだけに思えてしっくりこなかったけどね。2018/03/24
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