内容説明
海外では、理解しづらい、かかわりづらい認知症の人の行動のことを、チャレンジング行動(Challenging Behavior)と表すことが多くなっている。本書では、そうした行動の多くを、本 人なりに困ったつらい状況を変えよう、解決しよう、あるいは周囲に思いを伝えようと努力した結果、あらわれたものととらえている。そのうえで、こうした視点に立ち、介護者が「見立て」に基づき、本人一人ひとりの特徴に焦点を当てたケアを組み立て(ケアラー・センタード/パーソン・フォーカスト・アプローチ)、現実的に実施していくために、専門家がサポートを行うプロセスが具体的に述べられている。また、本書では、非薬物的なアプローチや、認知症の人の体験世界をとらえるためのモデルについても、豊富に示されており、介入の手立てを考えるうえで多いに参考になる。
目次
第1章 チャレンジング行動(challenging behavior)とは何か
第2章 チャレンジング行動の原因とアセスメント
第3章 向精神薬を使ったチャレンジング行動の治療
第4章 心理的アプローチとその他の非薬物的アプローチ
第5章 アセスメントと治療のための概念モデル
第6章 ニューキャッスル・チャレンジング行動臨床チーム(NCBT):私たちの臨床モデル
第7章 事例研究
第8章 サービスの開発と提供
著者等紹介
ジェームズ,イアン・アンドリュー[ジェームズ,イアンアンドリュー] [James,Ian Andrew]
ニューキャッスル・チャレンジング行動臨床チーム(NBCT)代表。ノーサンバーランドとウェアのNational Health Service(NHS) Trustの臨床心理士としてコンサルタントにも携わっている。メンタルヘルスサービスやそのトレーニング、スーパービジョンに関する論文発表、出版を精力的に行い、学会等での講演をはじめ国際的にも活躍しており、ニューキャッスル大学の臨床心理学コースで講師もつとめる
山中克夫[ヤマナカカツオ]
筑波大学人間系障害科学域准教授。1995年に筑波大学で「認知症の記憶機能に関する総合的研究」で博士(学術)を取得後、筑波大学助手(心身障害学系;学校教育部勤務)などを経て現職。現在、認知症を中心とした高齢医療、介護の現場のための尺度開発、相談システム、介入開発を中心に研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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