内容説明
路上に「居る」障害者たちの生活世界を描く。福祉制度が実動しないタンザニアで、「ふつう」に働けない障害者たちは、いかに生計を立ててきたのか。植民地期から現在までの彼らの姿を追う。障害学、都市下層研究、地域研究の枠組を越えたフィールドワークの精華。
目次
「当たり前」に目を向ける―現代アフリカ都市における不揃いな身体
第1部 植民地主義と「障害者」の構築(「障害者」と近代、世界;イギリス領タンガニーカ行政にとっての「障害」概念;「肢体障害者」と「アルビノ」の出現)
第2部 都市的生活―移住し、稼ぎ、人と繋がる(ダルエスサラームでの対人調査概要;都市移住、家族関係、ケアへのアクセス;親族に頼らない、頼れない移住;物乞いに支えられる家計と従事者の葛藤;他人を身内に―持続的関係を創る相互行為としての物乞い)
「彼ら」と「私たち」の境界はどこにあるか
著者等紹介
仲尾友貴恵[ナカオユキエ]
1986年生まれ。2010年京都大学文学部卒業。2020年京都大学大学院文学研究科行動文化学専攻(社会学専修)博士課程修了。博士(文学)。国立民族学博物館外来研究員、京都文教大学非常勤講師。2022年度より日本学術振興会特別研究員(PD)。専門は社会学・アフリカ地域研究・社会人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
3
ふむ2022/10/25
のりえ
1
🔻脚注?注意書き?補足説明?が文中に多用されておりメンドクサイ。読みにくい。 本書の試みは『アフリカで生きる「五体不満足」な人々という「特殊な」「他者」の生活ぶりを描くことである、と同時に、それを見ることを通して、私たちがかけている色眼鏡の存在を浮かび上がらせること』だそうです。2022/07/29
鮭
0
何故か勝手にアフリカの障碍者の方とのインタビューや交流を描いたルポ的な本をイメージしていたけど、論文に加筆修正したもので、少し私には堅く感じてしまった…。しかし紹介されている障碍者の"物乞い"の人の生活や、彼らに友人のように接する街の人々の様子は興味深く読めた。一方、半身不随になった田舎の子どもが這って通学していた等、辛いエピソードも沢山あり、良くも悪くも日本との違いが衝撃だった。2023/01/31