内容説明
減少し続ける日本の草原や水辺など身近な自然を尋ね歩いて出会う小さな命、絶滅の危険度が高まるカヤネズミの生態を知ることから保護活動は始まる。愛くるしく健気なカヤネズミたちのカラー写真多数掲載!
目次
第1章 カヤネズミって知ってる?(基本データ;カヤネズミのひみつ ほか)
第2章 フィールドワークから見るカヤネズミのくらし(出巣;採餌 ほか)
第3章 カヤネズミと人のくらしとの関わり(茅場とカヤネズミ;稲作とカヤネズミ)
第4章 カヤネズミを取り巻く現状と保護活動(追われるカヤネズミ;緑の屍 ほか)
著者等紹介
畠佐代子[ハタサヨコ]
所属:全国カヤネズミ・ネットワーク代表、東京大学空間情報科学研究センター客員研究員、滋賀県立大学非常勤講師(環境動物学)、同大学客員研究員。博士(環境科学)。研究・業績等:琵琶湖・淀川水系をメインフィールドとしてカヤネズミの生態を研究する傍ら、市民活動ベースでの全国的なカヤネズミの生息地保全にも取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ユカ
38
図書館で。カヤネズミという生き物のことをちゃんと知ったのはこれが初めてです。数センチメートルしかない体で、オギの草原で鳥のような巣を作り生きているなんて、なんて不思議でかわいいのだろう。冬毛と夏毛で毛色が変わるというのも、とてもいとおしいです。2017/10/12
ワッピー
6
日本のノネズミの中でも最小種のカヤネズミは、昔は普通にいたものの生息域である葦の群生地域がどんどん減っていき、今はかなり少なくなっているそうです。 著者が定点観測を始めても、そのエリアが除草、開発、土砂投棄などであっという間に失われていくことに危機感を覚え、全国カヤネズミ・ネットワークを立ち上げたとのことです。「肝っ玉母さん」の巣が草刈りの後にぽつんと転がっていたというエピソードは、因縁を感じます。子供のころ、知っていれば見られたかもしれませんが、実際に現物を見たのは平成に入ってから。本当に小さかった・・2014/05/28
Bon Voyage
4
名古屋にもカヤネズミの巣が何ヶ所かあるかということで、興味本位で読んだ。 たぶんそこらの河川敷も探してみると実はいるのかもしれない。 興味深い生態だけども、草刈りやらで、地域的には絶滅に追いやられているらしい。 大型動物の保全ではクマがあるし、小型のものではこいつが最小なのか? なかなか保全は難しそうだ。2016/01/26
rinpei
3
早速カヤネズミを探しに前々から目を付けていた所に長靴に長袖シャツ、帽子に眼鏡、軍手、顔と首筋に日焼け止めを塗りまくり出かけました。汗だくになり一面のカヤの中を右往左往、結果は実物どころか巣さえ見つからず・・・。ただ、セッカという小鳥が「ヒッ、ヒッ、ヒッ」と鳴いていましたが、あれは私に対する笑い声だったのでしょうか? カヤネズミ君、私になんぞその姿を見せなくてもいいから、いつまでも数を減らさず棲息していて下さい。2014/06/07