内容説明
“秘すれば花”の美を求めて。世阿弥生誕650年の時間。能の世界は演劇としての伝統を守りながらも、世阿弥の理想とする世界に変化を遂げている。国内外の美術・彫刻・舞台芸術に多大な影響を与え続ける能、その現状と取り組み、新たな可能性を貴重な写真と共に探索する。
目次
第1章 能楽堂という空間―舞台芸術の美(能舞台という空間;能楽堂七変化;異次元空間への飛翔)
第2章 面・装束・道具類を観ること―役者を彩るもの(変身;古典文学を再現する―装束の約束事―品位;扇・道具類)
第3章 役者の動きを見ること―身体のかなたに何が見えるか(役者の身体と型―直線美と軸;舞の美―夢うつつの幻想空間;ワキ方の動きと役目 ワキ方について)
第4章 音曲を聴くこと―無音の響き(地謡という集団;掛け声;現代音楽との出会い)
第5章 現代能楽の視点と展望(変容する能―女流能楽師公演の成功・子方;コラボレーションの現在;能楽の社会貢献)
著者等紹介
原田香織[ハラダカオリ]
東洋大学文学部教授。専攻は中世文学・能楽研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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take
2
初心者向けの能体験講座に行く前に、勉強のために読んだ。能楽堂・面・装束・役者の動き・音楽などについて整理されているが、「整理」の側面が強い本なので、僕のような初心者ではなく、ある程度能を知っている方が知識整理のために読むと良い本だと思う。2018/03/30
ユキ
0
あまりない切り口の本。内容はなかなか面白いけど、ところどころ文章がおかしいような。第二次世界大戦下のフランスで、能に憧れ独学で研究し続けたというエレーヌ・ジュグラリスのエピソードが印象的。戦後、ギメ美術館で上演されたというエレーヌ版<羽衣>はどんな舞台だったのだろう。彼女はどのような文献を読んで、どのような天女を、どのような舞を夢見たのか。『朝日の中の黒い鳥』を読んだのかな。知りたい。2014/03/31
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