目次
政治を見る視線(「社会」の発見―モンテスキュー『法の精神』(1748)
デモクラシーの逆説―A.トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(1835‐40) ほか)
支配と抵抗(支配と正当性―M.ヴェーバー『支配の社会学』(1922)
ヘゲモニー―A.グラムシ『獄中ノート』(1929‐34/1975) ほか)
自由と公共性(自由という恐怖―E.フロム『自由からの逃走』(1941)
公的空間―H.アーレント『人間の条件』(1958) ほか)
理想社会を求めて(シティズンシップ―T.H.マーシャル「シティズンシップと社会的階級」(1950)
公正としての正義―J.ロールズ『正義論』(1971) ほか)
著者等紹介
井上俊[イノウエシュン]
大阪大学名誉教授・関西大学人間健康学部客員教授
伊藤公雄[イトウキミオ]
京都大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
22
解説→引用文→参考・関連文献の順番。 モンテスキューによれば、「法とは、 その最も広い意味では、事物の本性から 派生する必然的な諸関係」(11頁)。 トクヴィルによると、「自由の中に 平等を求め、それが得られないと、 隷属の中にもそれを求める」(23頁)。 アンダーソンによると、「ネイションは、 想像された政治的共同体である」(41頁)。 ヴェーバーは、権力とは「或る社会的 関係の内部で抵抗を排してまで自己の意志を 貫徹するすべての可能性を意味し」、 2014/05/20
ハンギ
1
あまり丁寧に読んでないけど、近代からの社会学や政治学についてまとめた本だと思う。ぶっちゃけこの分野って、社会学といっていいものか、政治学の領分なのか悩ましいところです。その中間的にあるような、群衆や民衆的なものに注意を払われている気がします。しかし多くのそういった業績はマルクス的というか、社会主義っぽい分野であります。ただ、いまさらシュミットって読む気がなかったし、デリダやドゥルーズにも割かれているのは面白い。こういった本を手がかりにして理解を深めたい。2011/05/16
YayoiM
0
全体主義国家を分析したものにはハンナ・アーレントの『全体主義の起源』が古典なわけで、それ以外はまともな専門書を知らなかったのだが、この本のおかげでレーデラー『大衆の国家』を知ることができた。特に「階級なき国家」は無定形で情動的大衆を作るだけで亡国の道であり、「階級や集団の存在は、社会の存続と発展にとって不可欠だ」という見解は、共産主義や理想主義を葬る力を持っている。もう一つはバーリン『二つの自由概念』の紹介が良い。「唯一の真の知があれば論の対立はなくなり、調和した唯一の絶対解に到達する」という一元論こそ惨2013/06/02