内容説明
文学革命から革命文学、人民文学から商業主義へと推移する中国二〇世紀の文学。史的概観、そして理論と制度/詩/小説/演劇各領域への接近、「満洲国」/上海/台湾/エミグラント等のトピックと充実した年表など、多角的・重層的な構成によって同時代中国の文学に関心をもつ読者に知的刺激を与えて止まない。
目次
コンパクト・中国二〇世紀文学史
二〇世紀前半の理論と制度 制度としての近現代文学
二〇世紀後半の理論と制度 「統治」の枠組から文化「解読」へ向けた模索の営為へ―対抗軸としての政治・欧米理論・コマーシャリズム
二〇世紀前半の詩 現代詩の生成―詩律の変遷とモダニズム
二〇世紀後半の詩 詩の復権―中国現代詩の沃野
二〇世紀前半の小説 “救国”と“通俗”の相克
二〇世紀公判の小説 「書く」ことの意味―二〇世紀後半の中国小説
二〇世紀の演劇 二〇世紀の京劇と梅蘭芳
古典から二〇世紀へ―詩文
上海の「京劇」
日本占領下の文学状況(「満洲国」の文学研究;上海)
「中国二〇世紀文学」にとって「台湾の文学」とは
エミグラント文学
VCDによる中国映画分析の新たな可能性
著者等紹介
宇野木洋[ウノキヨウ]
1954年東京都に生まれる。1984年東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、立命館大学法学部教授
松浦恒雄[マツウラツネオ]
1957年大阪府に生まれる。1984年神戸大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、大阪市立大学大学院文学研究科助教授
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