内容説明
「守破離(しゅ・は・り)」は、桃山時代の茶人千利休に由来する言葉。コンピュータソフトを駆使して、現代の最先端をいく建築家・大江匡は、茶の湯から学んだ規矩作法を守りつつも、既成概念を破り、伝統からいったん離れて「和」の空間をデザインする。日本建築を現代のスタイルで表現した、そのエッセンスと技法をここに解明。
目次
細見美術館―建物の中に外部空間をとりいれる
馬場花木園―鉄骨造と木造の混構造で内露地を実現
山口蓬春記念館―時と文化を「かさね・あわせ」る
恵庵(けいあん)―鉄筋コンクリートの鞘堂に茶室を組み込む
方形の家―リビングに木造の小屋組を見せる
代沢の家―ひとり住まいの茶室
杉寿庵(さんじゅあん)―独自性と普遍性の交点をさぐる
大樋ギャラリー―“和”を守り、脱却する
川越亀屋―木の記憶を再生する
銀座みやこ―ビルの中に立体的な露地をつくりだす〔ほか〕
著者等紹介
大江匡[オオエタダス]
1954年大阪府生まれ。77年、東京大学工学部建築学科を卒業して、菊竹清訓建築設計事務所に入所。85年、プランテック総合計画事務所を設立。86年、「恵庵」にて第12回東京建築賞を受賞したのを皮切りに、日本建築家協会新人賞(ファンハウス)、建築業協会賞(細見美術館・岐阜ドリームコア)グッドデザイン賞(横浜の茶室・玉川高島屋南館S・C)など多数の賞を受けている
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