内容説明
一家離散で幼少より転々生活。諸職転々後に桂文楽に入門、さまざま迷って吉原の妓夫太郎、幇間の廻り道。許され出直して、苦労の末に大看板のてんてん人生。
目次
1 子供の頃
2 職業転々
3 咄家入門
4 吉原生活
5 幇間入門
6 再び幇間
7 咄家時代
8 小言師匠
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
11
寄席で見た円蔵は、弟子の三平や次代円蔵と大いに相違し陰気に思えた。鼻にかかる高い声の、女の科白が旨い落語家だった。ホール落語や独演会でないと余り力を入れなかったようだ。手持ちには「たがや」と「しめこみ」の短い録音しか持っていない。著者の地の文に《》で囲まれて円蔵のコメントが挟まるが、やや意味の取りにくい記述も多い。狷介で自ら恃む所が強い性格であるが、倫理観が高いと思えぬ自他の行動の吐露からは、却って正直さが窺える。牛太郎や幇間の経験が芸の背景にあるが、若い時からの小芝居観劇経験についてもう少し知りたかった2025/05/06