内容説明
チェルノブイリ、ヒロシマ、フクシマ、かつて訪ねた地への思い、亡くなった両親、病む姉への肉親の情。自らも病気を抱えながら、道浦母都子の放つ渾身の401首。
目次
飛天(切っ先;全視界眼鏡 ほか)
銀漢(がらんどう;最期に父は ほか)
光脈(草苑;傭兵 ほか)
カレーズ(黒日傘;チェルノブイリ ほか)
天空(風草;憲吉 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
60
#道浦母都子 #短歌 ヒルガオは汚染地区の地を這いて薄くれないの花びらほどく 「水一滴は血の一滴」なるイスラムの古き言葉は光のつぼみ 歌種を探して見回すわたくしを笑っているか浪江のカラス 2016/06/10
双海(ふたみ)
10
味わい深い歌集。亡くなった両親、病む姉への肉親の情。自らも病気を抱えながら…。「これ以上ものはいらないベランダで風と風とがぶつかり消ゆる」「雨音の激しくなりてペンを置く歌つくりつつまどろみの来て」「待つというときめきごころ遠く薄く去りてしまえり待ちたし誰か」「萩こぼれひそひそこぼれひそひそとこぼれ散るのは時間のひかり」「肉親の死に肉体は哀しめど涙生み出す力さえなし」「ほんの少しわたくしにある優しさを伝えたきゆえ愛娘ほし」「若き日の別れの中に仄かなる愛恋ありき未完のままに」2023/07/21
knuuyy
2
いい感じだった。 不整脈緑内障にそううつ症とうにわたしもガタガタの身ぞ 缶ビール飲みたるあとの缶つぶし破壊行為は悦楽を生む いっさいがわからないからいっさいを放り出したき私である2024/01/05
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