出版社内容情報
「世界最悪の紛争地」と呼ばれるアフリカ・コンゴ東部。略奪や虐殺、性暴力が横行するその地は、闇に潜む「悪」が支配しているように見えていた。
けれども、熱帯雨林を抜けた先で対峙した武装勢力の司令官は、戦う理由をこう説明した。「自分たちの土地を守るためだ」。また、世界で禁止されている「鉱山での児童労働」を行う子どもは、僅かな収入で自身と家族を支えようとしていた。
そこには、彼らなりの「正義」があった。
何事も二元論では語りきれない。アフリカから遠く離れた私たちの社会でも同じだ。ニュースやSNSで叩かれる「悪人」も、視点や風向きが変われば「善人」と称えられる。しかし、真実はもっと複雑で、白と黒の間には無限の灰色がある。
アフリカを中心に、紛争地や貧困地域を訪れてきたフリーランス国際協力師の原貫太。ユーチューブでは世界の課題について幅広く発信し、登録者は33万人を超えた。だが、順風満帆に見える歩みの裏には、複雑な世界と向き合って生きる上での葛藤があった。
・フィリピンやウガンダでの出会いを胸に起業した団体を、心の病を理由に辞めてもいいのか。
・多くの人に動画を観てもらうために、過激なタイトルやサムネイルを使ってもいいのか。
・厳しい環境で暮らす人々を撮影するだけで、助けなくてもいいのか。
・生きづらい日本で幸せに生きるために、「死」が身近にあるアフリカから何を学べばいいのか。
あなたも、世の中の複雑さに立ちすくみ、二元論が生む苦しみに囚われているかもしれない。でも、そんな中でも社会を良くしたり、自分らしくありたいと願うのなら、本書を手に取ってほしい。著者の半生の記録を読めば、一歩を踏み出すための問いや視点が見つかるはずだ。
内容説明
「学校一の問題児」が、世界の現場とYouTubeで活躍する国際協力師に。葛藤だらけの人生から学んだ複雑な世界を生きるための視点。「正しさ」を疑うことからはじめよう。
目次
第1章 世界最悪の紛争地・コンゴ東部で見た灰色の現実(豊かな資源と「負」の歴史を併せ持つ国;武装勢力はなぜ性暴力で支配するのか ほか)
第2章 現実を知った者の責任―国際協力師として生きる(「純ジャパ」が国際協力に興味を抱くまで;フィリピンで出会った物乞いの少女 ほか)
第3章 正しい報道とは何か?インフルエンサーの光と影(突然レンタルチャイルドの動画がバズった;関心がないのではなく「ただ知らなかった」 ほか)
第4章 死を意識したアフリカで「生きている実感」を得た(国際協力師になる前は「学校一の問題児」だった;馴染めない私でも生きやすさを感じる居場所 ほか)
著者等紹介
原寛太[ハラカンタ]
1994年生まれ。フリーランス国際協力師。早稲田大学卒。フィリピンで物乞いをする少女と出会ったことをきっかけに、学生時代から国際協力活動をはじめる。大学在学中にアフリカ支援のNPO法人を設立し、新卒で国際協力を仕事にする。出版や講演、SNSを通じた啓発活動にも取り組み、2018年3月には小野梓記念賞を受賞した。大学卒業後に適応障害を発症し、同法人の活動から離れる。半年間の闘病生活を経てフリーランスとして活動を再開。アフリカを中心に世界各地で取材を行い、国際協力の情報発信に力を入れている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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