出版社内容情報
幼い頃、虐待されているクマを目撃した主人公チャーンは、野生動物を守る仕事に就くことを決意。目標に向けた日々の努力が実り、保護活動センターのボランティアに採用されます。ある日、センターに保護されてきたマレーグマの赤ちゃんソリアを、「私が森に帰してやる!」と宣言して育て始めます。森で一緒に暮らしながら、自力で生きていくために必要なことを学ばせ、最適な地を探して進みます。ベトナムの自然保護活動家チャン・グエンの若き日の活動にもとづく自伝的グラフィックノベル。精緻に描かれた野生動物や美しい熱帯雨林と、人間が破壊した森林との対比を見事に描き上げた若きベトナム人画家ジート・ズーンは、2023年、イギリスの児童書最高峰の賞であるカーネギー賞画家賞に輝きました。
内容説明
わたしはチャーン。野生動物を守る活動をしています。生後2週間で親をうばわれたマレーグマの女の子ソリアを育てています。食べものを自分で見つけて自力で生きていけるように、森に帰って仲間とともに生きていけるように、毎日いっしょにすごして練習しています。お別れする日を考えるとさびしくなるけれど、ソリアのためにがんばらなきゃ!ベトナムの自然保護活動家、チャン・グエンの若き日の活動にもとづく自伝的グラフィックノベル。絵を描いたジート・ズーンは、本書で、イギリスの児童書最高峰の賞である2023カーネギー賞画家賞を受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
39
読み友さんの感想を読んで。絵本とありますが、どちらかというとマンガです。フルカラーで動物がとても美しく描写されており、特に主役である表情豊かなマレーグマには悩殺されました。もともとこのクマが好きで、上野に行くとエゾヒグマの次に入り浸っていたんですよね~。クマ牧場などの施設を見ては悲しい気持ちになっていたので、「森へ返したい」という情熱には強く賛同しました。同時にこの苛酷な気候変動の中、野生動物の適応力にも限界が来ないだろうか…と心配になりました。マレーグマほんと、可愛すぎる…♡2024/06/02
mntmt
4
グラフィックノーベル。ソリアとチャーンの別れのシーンにボロ泣き。圧倒的画力!2024/03/23
遠い日
3
普段なじみのないジャンル、グラフィックノベル。ジート・ズーンのかわいらしくもあるのに、ベトナムの大自然の猛々しさを余すところなく描いたイラストがすばらしい。若き自然保護活動家、チャーンの情熱に胸を打たれ、これは彼女が今しなくてはならない喫緊の課題であるとわかります。マレーグマの女の子、ソリアを育てるうちに芽生える愛情を、断ち切る決意を秘めながら野生に返す日を探るチャーン。人間と自然界の生き物との共存がどういう形で行われるのがいいのか。学ぶべきところの多い物語です。#NetGalleyJP2024/01/24
mikiron
1
野生動物の保護活動をする!と心に決めてから、その夢を実現するため努力を惜しまないチャーンの姿がまぶしい。マレーグマの生態はもちろん、熱帯雨林に暮らす動物たちの描写もすばらしく、勉強にもなり盛りだくさんな一冊。2024/06/23
Olga
1
母グマを失ったマレーグマの子どもを保護し、野生に戻すまでの物語。主人公チャーンのモデルは作者自身。2024/04/06